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経管栄養・強制給餌(の1例)

注:素人が行っていたやり方です。
  ご自身の猫さんに適した与え方については獣医師にご相談ください。

猫が食べなくなってしまうことには、本人にとっても飼い主にとっても大問題です。
でもどんなに食の重要性を説いても”あぁそうですか”と言って食べてはくれません。

そんな時に取る一般的な手立ては
① 大好きなごはん・おやつを与える
② 柔らかくしたフードをスプーン等で口の中に入れる強制給餌
③ 柔らかくしたフードを注射器で口の中に入れる強制給餌
といったところでしょうか。

ねねちゃんが食べずに頭を悩ませた1年間、食べることにまったく興味のないねねちゃんには①の手立ては論外でしたが、②③についてはネットで調べたりYoutubeでやり方の説明動画をみたりして何度か検討したことがあります。
しかし”平均寿命まで生きるとして、これを15年続けるのか…?やはり本人が食べる気になる方法を考えないといずれにせよ生かすのは無理なのでは?” と思い実行はしませんでした。
毎日無理やり食べさせていたらますますごはんが嫌いになってしまいそうですし。

さて、今回ねねちゃんは有無を言わさず経鼻カテーテルを入れることになりその後しばらく経管栄養生活を送っていた訳ですが、皆様は経管栄養に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
恐らく ”怖い” かな?
この”怖い”という気持ちがあるからごはんを食べなくなってしまった際にも”なんとか食べさせなくては!”と必死に強制給餌を頑張っていらっしゃる飼い主様が多い気がします。
強制給餌大変ですよね。フードを柔らかくして、嫌がるのを抑えて、咽ないように注意して、それでも暴れて体中ベタベタになって、それを1日に何度も…。

私は元(人間の)看護師のため、経管栄養に怖いというイメージがなくむしろ自分から希望した訳わけですが、実際にしばらくの間投与してみて
“食べないで悩んでいた時も迷っていないで早く経管栄養に踏み切れば良かった”と思いました。
私にとってはどちらかというと強制給餌の方が窒息させてしまったり誤嚥をさせてしまいそうで怖いです。

経管栄養はカテーテルの先が胃に入っているので誤嚥の心配がありませんし、点滴と違って普段食べ物を食べるのと同じように過度に清潔を気にする必要もないので気楽です。
そして何よりねねちゃん本人が楽だったと思います。
強制給餌の場合はどんなに具合が悪くても抱き上げて口をこじ開けて食べさせなくてはなりませんが、経管栄養であれば寝ている間にこっそり投与することができます。
正直、この1年ではじめてねねちゃんも私も”食”に関するストレスから解放されたと思います。
ねねちゃんは特殊ケースですが、加齢や病気により食べられなくなった猫さんで栄養管理が短期間で済みそうな場合であれば、怖がらずに経管栄養を選択肢に入れてみてもいいのではないかと思います。
(ただしカテーテル留置中はエリザベスカラーが必要になります。カラーがストレスになりそうな子には向きません)

投与量
猫の必要カロリーは52~64kcal/kgなので、体重3kgのねねちゃんは1日200kcalぐらいを目標と考えていました。
また、水分も160mlぐらい与えないといけません。
それを大体3時間おきに1日6回に分けて与えるようスケジュールを立てました。

病院で処方されたクリティカルリキッドは1ml当たり1kcalなので、1日1本与えればカロリーも水分もクリアです。
大変手軽で良かったのですが、病院で買ってもネットで買っても1本1,000円近くします。
月に3万円かぁ…私の食費より高いかも。

そこで森乳のチューブダイエットも試しました。
こちらは100g辺り510kcalなので、1日40gを160mlの水に溶いて与えていました。
粉を水に溶いた後は2〜3時間以内に投与しないといけないので、その都度6gぐらいずつを溶かして与えていましたのでやや手間でした。

投与方法
① 栄養剤と水を人肌に温めたものに注射器に入れます。水は水道水で大丈夫です。
② 水の入った注射器をカテーテルに接続して少し引いていつまでも空気が引けてこないかを確認します。
少し入っても止まれば大丈夫です。
いつまでも空気が入ってくるようであれば管が気管に入っている可能性があるので病院に相談してください。
次に少し水を注入して管が詰まっていないことを確認します。
③ 栄養剤の注射器に付け替えて注入します。
④ 再度水を注入して管を洗い流します。

その後
この後のブログでも書きますが、ねねちゃんが2度に渡りカテーテルを抜いてしまいました。
口から食べるなんて考えられなかったので当然のこととして再度カテーテルを入れてもらおうと思っていたのですが、当時はまだ診断が付かずにいつ死んでもおかしくない状態。
エリザベスカラーをつけて色々な場所にぶつかったり毛繕いをしたくてもカラーが邪魔でできないのを見ていて、毛繕いもさせてあげられないまま死なせるのはあまりに気の毒だと思いました。
そこでダメ元で注射器を使って口に栄養剤を入れる方式に切り替えたところこれがうまくいきました。
今度は味がわかるので少しでもおいしくなるように総合栄養食のちゅーるを加えてトータルカロリーが200kclになるように栄養剤の量を計算し直しました。

はじめのうちは人間も猫も慣れていないので口から溢れて毛を汚してしまうこともありましたが、次第にお互いになれて短時間で与えることができるようになりました。

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