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11月6日(金)不運と強運の持ち主

受診日
病院に行くのが気が重い。数値がどんどん良くなっていた時は病院に行くのがむしろ楽しみだった。しかしこの1週間は大きな体調の変化はないものの、壁の方を向いて10分程ぼーっとしていたり、遊ぶ時間が減ったりと徐々に悪化してきているように見受けられた。先週よりさらに悪くなった数値を突き付けられるのかと思うと非常にしんどい。行きたくない。結果を聞きたくない。

そして数値が悪くなっていた場合、脾臓摘出の手術をするかどうか決断をしなければならない。家族の意向・保護猫ボランティア様たちのアドバイスを聞いて色々考え、やってみてもいいかなという気持ちに傾いてきていた。しかし決心はつかない。しかし予想通り悪化していた場合にはその場で決断をしなければならない。
採血前の研修医の予診の際に”手術についてはお考えになりましたか?”と尋ねられた。今日の結果によってはやる方向も含めて検討したいと伝えると”結果を見て主治医と相談しましょう”と言われた。

採血の結果が出たと連絡を受けて診察室に入ると主治医と研修医2名(ここまでは通常通り)に加えて学生らしき人が2人。”あぁ、手術の話をするから勉強のために学生を入れたんだ”と思った。
が、結果を伝えようと話し始めた主治医の表情が明るい気がした。神経質になっている飼い主はちょっとした変化だって見逃さない。
”少し良くなってたんです”と主治医。
ええええええええええっ!本当ですか!?とにわかには信じられずに採血結果の用紙を見ると、ヘマトクリット37.3%と記載されている。前回の31.0%から大幅アップしている。大勢の医師たちを前に1人で拍手喝采した。
”塗抹を見ると再生像はあまりないのですが、タクロリムスが効いてきているのか、骨髄が頑張っているのか。いずれにせよ手術に関しては先延ばしにして1週間はこのまま様子を見てもらっていいと思います。”とのこと。やはりきちんと再生できるようになっている訳ではなく楽観できる状況ではまったくないが、手術を先延ばしでき、少なくともあと1週間はねねちゃんと一緒にいることができそうというだけでも万々歳だ。
この改善傾向が続くのかどうか、今週はこのままステロイドを減らさず来週再度採血をして、維持できているようであればステロイドを減らしましょうということになった。前回ステロイドを減らしたことで悪化をしてしまったため慎重に行きたいと伝えたが、血糖値が188まで上昇してきておりこのまま続けると糖尿病になる恐れがあるため慎重にしつつもできるだけ早く減らした方がよいとのことだった。

この日の医療費
再診料、処方量、血液検査(塗抹評価含む)
内服薬(ステロイド、胃腸薬、免疫抑制剤【シクロスポリン+タクロリムス】)
計 31,185円

訃報
今日の結果に少し安堵したが、一方でとても残念な知らせも受けた。
ねねちゃんを保護してくださった保護猫ボランティア団体から里子に出された子がFIPを疑われ、ねねちゃんがMutianを処方してもらっていた病院にかかったものの、FIPの後期でかつ他の疾患も合併したため残念ながら救命が叶わなかったとのことだった。
何度も死線を乗り越えてきたねねちゃんの飼い主として、飼い主様のお気持ちが分かるだけに本当にお気の毒だ。20歳を超えても元気な猫たちがいるなかで、まだ幼いうちの子がなんでこんなことになってしまうのか。もっと早く気付いて治療を受けさせていたら助かったのではないか。なぜこんな良い子が命を落とさなくてはいけないのかと悔しい気持ちでいっぱいだと思う。どうにもならないこともあることは分かってはいるものの、本当に、ただただ辛い。

そしてこの子を助けるためにも保護ボランティアの皆様が尽力されたそうだ。保護の活動だけでも大変なのに、譲渡後にも里子に出した子たちのために生涯力を尽くしてくださることに改めて敬意と感謝の気持ちでいっぱいになった。

不運と強運
気が付くとねねちゃんが発病して4か月が経っている。このブログのはじめの頃にも書いたように、ねねちゃんはうちの子になってから生命が安定していたことがなく、発病してからは危機的状況の繰り返しだった。なぜこの子はこんなに不運で試練ばかりが与えられるのか思う。しかしその一方で今日の残念な知らせを受けて、改めてねねちゃんがこの状況を乗り越えてこられている類まれな強運の持ち主でもあると感じた。そこにはたくさんの方の支援の力もあるが、そういった支援が受けられていることにもねねちゃんの運の強さを感じる。
引き続き危険な状態は続いていくと思うが、強運が不運をねじ伏せてくれることを強く強く願っている。

トップの画像でねねちゃんが入っている容器はねねちゃんがおちびちゃんの頃にトイレとして使っていたもので、その頃は容器の縁から少しはみ出るぐらいの背丈しかなかった。ごはんを食べず、ほぼササミだけでずっと栄養失調気味で育ったけれど、いつの間にか立派に成長したね。

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