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「全国最中図鑑」38 甘ほたて(岩手県大船渡市)

大船渡は海と山が近く、山の雪解け水が海に流れ込んで海中のプランクトンがよく育つ。そのプランクトンを食べて育った帆立は、大粒で肉厚、帆立本来の味が濃く、甘味が強いのが特徴である。
その大船渡の帆立をモチーフにした最中が「甘ほたて」。クルンとした可愛い帆立貝の形の皮に、羽二重粉で作った求肥とつぶあんが入っているが、求肥は帆立の貝柱を表現しているんだそうである。和菓子と海の幸との組み合わせは一見ミスマッチのように思えるが、食べてみると、ぽってりとした皮と柔らかい甘みの餡がうまく溶け合って、とても美味しい。
製造元はもうすぐ創業100年を迎える老舗、菓匠高瀬。東日本大震災で津波の被害に遭い、一旦は営業を停止していたそうだが、現在は「おおふなと夢商店街」で営業を再開している。

菓匠高瀬
大船渡市大船渡町野々田10-3 キャッセン大船渡


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。



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