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「全国最中図鑑」74 狸最中(東京都北区)
東京の王子といえば、江戸時代から狐の町として知られている。東国三十三カ国稲荷総社の格式を持つ王子稲荷神社には、毎年大晦日になると、稲荷のお使いの狐が、近くの榎の木の下で装束を整えてから初詣をしたという言い伝えが残っている。人間国宝になった五代目柳家小さん師匠が十八番にしていた落語「王子の狐」も有名だ。
そんな狐の町・王子で、なぜか狸の最中を売り出したのが、創業100年以上の老舗和菓子店「狸家」。なんでも先々代の当主が最中を考案するにあたって「王子は狐で有名だが、狐はズルがしこい感じがするし、顔も体も細っこくてあんこがあんまり入らない。同じ人を化かす動物でも、ぽっちゃりして愛嬌がある狸にしよう」ってワケで、狸最中が生まれたんだそうな。
小豆の粒あんが詰まった茶色の狸と、コクのある白あんが詰まった白い狸の2種類。両面をタヌキ型にしているのであんがたっぷり入り、美味しくて食べ応えのある最中だ。
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和菓子 狸家
東京都北区王子本町1-23-1
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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。