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「全国最中図鑑」33 古里もなか(佐賀県小城市)

「九州の小京都」と呼ばれる佐賀県の小城町はまた、羊羹の町でもある。
佐賀では昔から良質の小豆が採れ、長崎街道もほど近いため、貴重品だった砂糖も比較的手に入りやすかったことから、明治初期に「小城羊羹」が誕生。戦後間もない最盛期には、町は50軒を超える羊羹店がひしめき、大層賑わったそうだ。現在も小城町には19軒の羊羹店が営業している。
側が砂糖で硬くなり、中は柔らかい昔ながらの手作り羊羹は、口に入れるとシャリシャリとした懐かしい歯ざわりで、今も全国にファンのいる名物羊羹である。
今回ご紹介する増田羊羹本舗は、城下町小城でも一際目立つ、昔ながらの藁葺き屋根の懐かしい佇まいが魅力のお店。
ここで羊羹や丸ぼうろと並んで人気なのが「古里もなか」だ。増田の店舗をモチーフにした藁葺き屋根の素朴な家を型取った皮は、白と茶の二色。あんは小倉と抹茶の二種類で、いずれもよく練られていて舌ざわりがよく、さわやかな味が特徴だ。

増田羊羹本舗
佐賀県小城市小城町255


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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