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21皿目 “蕎麦屋のカレーにハズレはない” 紀州屋|元気の出るカツカレー

取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。


蕎麦屋のカレーにハズレはない ― 紀州屋

宮崎市内から車で約1時間半。熊本との県境近く、緯度でいうと宮崎県のちょうど真ん中くらいに、西米良村という村があります。宮崎でいちばん人口の少ない自治体で、96%を森林が占めているそうです。この日は山深い集落での撮影。のどかな風景がたくさん残っていました。

一ツ瀬川にかかる、かりこぼうず大橋
稲わら干しを見るとなぜか心が安らぎます


やがて日が暮れ、宿は宮崎市内。時間が遅くなってしまったので、夕食はホテルから歩いていけるところで手早く済まそうか……と歩いていると、早速、いい匂いを漂わせている蕎麦屋さんを発見!


まわりのお店も、飲み屋以外はほとんど閉まっているのですが、そのなかで健気な灯りを灯し続けているようすにグッと来ました。
ショーウインドウの食品サンプルがなんともいい味を出しています。これは期待できそう。


蕎麦屋のカレーって美味しいですよね。和風だしを使っているからとか、めんつゆが隠し味に入っているとか理由はいろいろいわれてますが、まず間違いなく美味い。
そして、そのカレーとつゆが絶妙なハーモニーを奏でるカレー南蛮そばもたまらないです。じゃあ、あれ? そういえば。蕎麦屋のカツカレーっていうのはどうなんでしょうか。そもそも、あまりメニューにないかもしれない。

お店の口コミをチェックしてみると、こちらの紀州屋さんはそばはもちろん、かつ丼も人気のようで、かなりの割合でかつ丼やかつ丼とそばのセットを注文している方がいるようです。
蕎麦屋のカレーは美味しい。
→カツ(丼)も美味しい。
→それならカツカレーもまずいわけがない!
ということでチャレンジしてみることに。


しばらくしてやって来たのは、「蕎麦屋のカレー」として勝手にイメージしていたものより色が濃いめでドロドロ、野菜がたっぷり溶け込んでいる様子の本格カレーでした。ツヤの良さが伝わりますでしょうか?
ひとくちパクリ……美味い! これは、和風だしが効いている……のかな? めんつゆが……、いや実は蕎麦湯? 美味しさの秘密はまったくわかりませんが、とにかく美味しい。私はカツカレー好きですが、評論家ではないので、何もわからなくていいんです。

カツは脂身が少なめのあっさり柔らかお肉。確かに、カツ丼にも合いそうです。
シメに大根とニンジンの漬物をカリッといただき、全体として「なんとなく和風」のカツカレー、完食です。
今回もカツカレーには大満足でしたが、またもやお店の看板メニューは逃すことに。次はカツ丼とそばのセットをいただくぞ、と心に誓いました。


紀州屋
宮崎県宮崎市橘通西2丁目4−15 中村ビル


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