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『わたしの旅ブックス』シリーズ紹介 8

『わたしの旅ブックス』シリーズとは
各分野で活躍する著者が「旅」をテーマに綴る読み物シリーズ『わたしの旅ブックス』は、人生を豊かに彩る旅の魅力と醍醐味を一人でも多くの人に伝えることを目指し、紀行、エッセイ、ノンフィクションなどのジャンルで刊行しています。



8回目は、森まゆみさん『アジア多情食堂』から、鈴木 裕子さん『まんぷくモンゴル! 公邸料理人、大草原で肉を食う』/北澤 豊雄さん『花嫁とゲバラを探して 〜南米婚活紀行』/下川 裕治さん『旅する桃源郷』/後藤 隆一郎さん『花嫁を探しに、世界一周の旅に出た』/小林 みちたかさん『やがてすべては旅になる 壊れた自転車で行く四国一周』までの6冊を紹介します。


『アジア多情食堂』著/森まゆみ

50代から60代にかけて、アジアの国々を訪ね歩いた著者の旅紀行。中国、韓国、台湾といった隣国から、タイ、ラオス、ベトナム、インドなど、計11ヵ国を縦横無尽に駆け巡った旅の記録。気の向くままにぶらりと日本を出て、持ち前の行動力と好奇心でアジアの街を歩く。現地の人々とのふれあいや美味しい食事との出会いのほか、その国の歴史や文化を著者独自の視点で考察したユニークな旅の記録。時に旅情豊かに、時に舌鋒鋭く描かれる森まゆみならではの旅を味わえる一冊。

目次
第1章 味な話
第2章 おとなりの国々へあちこち
第3章 少し遠いアジアをめぐる

森まゆみ
1954年東京生まれ。作家。早稲田大学政治経済学部卒業。1984年に友人らと東京で地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊、2009年の終刊まで編集人を務めた。歴史的建造物の保存活動にも取り組み、日本建築学会文化賞、サントリー地域文化賞を受賞。著書は『鴎外の坂』〔芸術選奨文部大臣新人賞〕『「即興詩人」のイタリア』〔JTB紀行文学大賞〕『「青鞜」の冒険』〔紫式部文学賞〕など多数。「わたしの旅ブックスシリーズ」(産業編集センター)として『用事のない旅』『会いにゆく旅』『本とあるく旅』『海恋紀行』がある。



『まんぷくモンゴル! 公邸料理人、大草原で肉を食う』著/鈴木 裕子

「あなたモンゴルでも行く?」この一言で、給食のおばちゃんだったわたしは、在モンゴル日本国大使館の公邸料理人になった。
モンゴルでの生活は驚きの連続。マイナス30度の極寒で車がなくては買い物にも行けない。モンゴルの若者は酔ったら家には帰らない⁉︎ 食事は肉と乳ばかり。友人曰く、草を食べた家畜の肉を食べているのに、なんでわざわざ野菜を食べるのか、と。そこには大草原をかける遊牧民ならではの理由が…。
公邸料理人が見た、モンゴルの知られざる食と暮らし。
モンゴルの家庭料理を紹介したコラムも掲載!

目次
前書きにかえて/くらべて分かる!モンゴルと日本/わたしとモンゴル
第一章 食べることは生きること
遊牧の真ん中にお肉
赤はいのちの色/ 肉こそ人が食べるもの/一頭の牛も軽々/ ラクダのお肉はいただけない/ からだを温め冷ますお肉/ 鶏と豚はコチコチ/ 羊の尾をカジカジ
聖なるミルクのおかげさま
ミルクの厚皮/ 幻の味オーラック/ お乳の甘酒/ 馬乳酒案内/ ミルクのおかげ
公邸料理人の仕事
くせ者だらけの食材たち
冷たいは痛い/ 岩塩王国/マッシュルームのネックレス/ 個性はすべて正解/ 匂いの飢餓
お肉のあとに
お肉を食べれば皮が出る/ 人骨の笛/ 胃袋はいれもの
第二章 草原をゆく
草原の掟
草原でアレをして/ ゲルは着替える家/ 乾燥は安全/ トナカイのブーツ/一枚何役?のデール/ これがあれば生きられる/ 光が沁みる/ 地平線にはじまる天の川
大地を分け合うくらし
一三〇〇メートルのミクロとマクロ/ 白馬の王/ 道路はカイロ/ コブに掴まる/ 狼たちの脅威/ 犬と歩んだ歴史/ 雪がなければ生きられない/ みつばちたちの時間
第三章 モンゴルで旅人
ダルハンへの小さな旅
シベリア鉄道の夜/ 犬たちを籠絡/ 鶏の読心/ 夭折の皮たち
異世界ウランバートル
メモはいらない/ 酔ったらお家に帰らない/ 終電ないから/ ペンキのドア/ 自分の先があなた/ 空気とお肌/コスモポリタン
おわりに
これを食べたい! モンゴルごはん
網脂巻きの羊レバー/田舎のホルホグ/国民食三兄弟/モンゴル人なら作れなきゃのボーズ/作り手次第の家庭の味ホーショル/肉のエキスを絡め焼くツォイウァン/羊沁みわたるバンタン/モンゴル版鏡餅!?ヘヴィンボーブ/ショルロックは煙に巻くお肉

鈴木 裕子
1968年東京都生まれ。保育園の調理師から在モンゴル日本国大使館公邸料理人に転身。離任後は大好きなモンゴルに健康としあわせを贈りたいと『Japanese chef YUKO’s vegetable and cookbook for MONGOLIANS』をモンゴルで出版。国家資格の専門調理師全六部門を取得した食いしん坊。



『花嫁とゲバラを探して 〜南米婚活紀行』著/北澤 豊雄

カストロと共にキューバ革命を成し遂げたチェ・ゲバラ。彼の若き日の紀行『モーターサイクル・ダイアリーズ』に記された旅の軌跡を辿り、革命家ゲバラの原点を探す旅に出た著者。実は、この旅にはもう一つの狙いがあった。南米でマッチングアプリを使って、著者の人生のパートナーを見つけることだった。果たして著者は結婚という自らの“革命”を成し遂げることができるのか?「ゲバラ×婚活」という奇抜な旅の顛末記。

目次
プロローグ
1.コルドバ
ゲバラ┼婚活の旅、始まる。
2.ロサリオ
ゲバラが生まれた町で、初めてのデート。
3.ブエノスアイレス
ゲバラの母校と、卒業生とのマッチング。
4.ネコチェア〜バリローチェ
それぞれの、いくつかの「旅の理由」。
5.バルディビア〜サンティアゴ
特別移動許可証に翻弄される日々。
6.バルパライソ〜チュキカマタ
素晴らしい景観の街と、天使の裏切り。
7.タクナ〜プーノ
ペルー入国、喘息は治ったのに高山病。
8.クスコ〜リマ
女性化学者の憐みの視線と、元社長の投資勧誘。
9.イキトス〜サンパブロ〜ボコダ
暑い地の熱い女性と、わがままな銀行員と。
10.ベネズエラ
旅路の終着地で、ラストマッチング。

北澤 豊雄
1978年長野県生まれ。ノンフィクションライター。帝京大学文学部卒業。広告制作会社、保険外交員などを経て2007年7月よりコロンビアを拠点にラテンアメリカ14ヶ国を旅、取材。「Number」「フットボールチャンネル」「クーリエ・ジャポン」などに執筆。著書に『ダリエン地峡決死行』『混迷の国ベネズエラ潜入記』(産業編集センター刊)。



『旅する桃源郷』著/下川 裕治

今も精力的に世界を旅するベテラン旅行作家が、これまでの旅で出会った「桃源郷」を紹介。
ラオスのルアンパバーン、パキスタンのフンザ、ウズベキスタンのサマルカンド、日本の多良間島、チベットのラサ、そして著者の故郷である長野県安曇野。自分にとってそれらの地がなぜ桃源郷なのか、自らの人生を重ねながら、その理由を紡いだ珠玉の紀行エッセイ集。
旅の桃源郷は人によって違うが、そこに至るプロセスは酷似している。それぞれの桃源郷をみつけてほしい——と著者は読者に問いかける。忘れかけていた旅の魅力と力を改めて思い起こさせてくれる一冊。

目次
第一章 桃源郷には音がない——山にかこまれた小さな王国
ルアンパバーン(ラオス)/チェンマイ(タイ)/ラーショー(ミャンマー)/フンザ(パキスタン) 
第二章 小島の桃源郷——サンゴに海に小径がつづく
多良間島(日本)/宮古島(日本)/エーゲ海(ギリシャ)/サハリン(ロシア)
第三章 水の桃源郷——湧水に出合う旅
サマルカンド(ウズベキスタン)/シルクロード(中央アジア)/ローイクラトン(タイ)/安曇野(日本) 
第四章 刻まれる歴史——翻弄される時代のなかに桃源郷香港(中国)/タイ料理(タイ)/菁桐(台湾)/ラサ(チベット)
第五章 桃源郷で人生を忘れる
シンガポール(シンガポール)/ダラット(ベトナム)/コックスバザール(バングラデシュ) 

下川 裕治
1954年(昭和29)長野県生まれ。ノンフィクション、旅行作家。慶応義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューし、以後、アジアを主なフィールドにバックパッカースタイルで旅を続け、次々と著作を発表している。『週末ちょっとディープな台湾旅』『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日新聞出版)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)、『沖縄の離島 路線バスの旅』(双葉社)など著書多数。



『花嫁を探しに、世界一周の旅に出た』著/後藤 隆一郎

離婚により失意のどん底に落ちてしまった敏腕テレビディレクターが、花嫁探しの旅に出た!
英語力ゼロでスタートし、韓国、タイ、インド、ペルー、スーダン……多くの“女性“と”トラブル“に遭遇しつつ、なぜか旅の行き先はテロ支援国家ソマリアへ!?バツイチおじさんがひとり旅を通して見えてきた本当の「自分」とは……。抱腹絶倒・感慨無量のノンフィクション巨編!

目次
第1部 世界一周花嫁探しの旅
0章 おじさんが旅に出る理由/1章 韓国/2章 フィリピン/
3章 タイ/4章 ベトナム/5章 カンボジア/6章 タイ/
7章 スリランカ/8章 インド
第2部 風の旅人 
9章 ペルー/10章 スーダン/11章 エチオピア/
12章 ソマリア/13章 帰国/最終章 「花嫁探しの旅」

後藤 隆一郎
1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。



『やがてすべては旅になる 壊れた自転車で行く四国一周』著/小林 みちたか

ある夜、突然襲ってきた死への誘惑。
その危険な衝動から逃れるために、著者は四国一周自転車の旅に出る。
途中、自転車が壊れるというアクシデントに見舞われてしまう。
壊れかけた自転車を漕ぎながら旅を続けるうちに、脳裏に蘇るこれまでのつらい記憶と旅の断片。
過去と現在が交錯していく中で、著者はこれまでの自分と真正面から向き合うようになっていく。
果たして無事に完走できるのか、そして、前向きな心を取り戻すことはできるのか——
過酷だが自然豊かな四国路を舞台に、壊れかけた心の再生を綴った異色の自転車旅行記

目次
プロローグ
1 東京―松山―新居浜―四国中央
 夏がはやすぎる/みんなのオアシス/ゴーライフ
2 四国中央―高松―東かがわ
 絶望的トラブル/リタイアの誘惑
3 東かがわ―徳島―日和佐
 めぐり合わせ/わかれ道

4 日和佐―室戸―高知
 ふし穴/ばばあ!

5 高知―土佐―四万十
 アフター9・11/雨の森/峠の向こう

6 四万十―足摺―宿毛
 ジョンマン/急がば止まれ
7 宿毛
 警戒レベル4/暗黒の時代

8 宿毛―八幡浜―双海
 寄り道/やがてすべては旅になる

小林 みちたか
1976年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。2000年朝日新聞社入社、04年退社。広告制作会社、国際NGO団体を経て、11年よりフリー。東日本大震災のボランティア活動を綴った『震災ジャンキー』(草思社)で第1回草思社文芸社W出版賞・草思社金賞を受賞。北インドのラダック地方を旅した私小説的紀行『死を喰う犬』(産業編集センター)で第1回わたしの旅ブックス新人賞を受賞。その他に、東北の太平洋沿岸部を旅した作で『第9回子どものための感動ノンフィクション』優秀作品を受賞。