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カナダ発!秋田の伝統食「寒こうじ」を仕込む季節がやってきた

米麹用の種菌を切らしてしまった。
前回日本に一時帰国した時に買わなかったったのだから、悪いのは私だけれど、コロナ禍でこんなにも行き来が難しくなるとは想定外だった。

カナダ・モントリオールでは普通のスーパーで米麹は手に入らない。さて、どうしたものかと思っていたら、「賞味期限が切れてるけど、どう?」と
知り合いが数パックくれた。茶色に変色していてもまだ使えるはず。
試しに甘酒を仕込んでみた。

今回は、甘酒の甘みが増すといわれているもち米を混ぜて普通に炊飯。出来立てのご飯に冷水を加えて温度を下げ、そこに茶色になった米麹を投入。
ヨーグルトメーカーを55度の12時間にセットしてスタート。
2時間毎に混ぜて様子を見る。
仕上がりは見たことない茶色の甘酒になったけれど、甘みは十分に引き出せた。やっぱりすごいな、米麹!

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甘酒ができると確認できたので、秋田名物「寒こうじ」を仕込むことに決めた。今では、一般的な万能調味料の地位を獲得した塩麹。米麹、塩、水を混ぜて数週間置くだけというシンプルさもあって、手作りしている人は多いと思う。寒こうじの場合は、ご飯、米麹、塩を混ぜて、半年から1年常温で熟成させる。味噌並みに時間がかかるものの、塩代わりにするといつもの味より高級になる。
特に、えび、ホタテ、チキンなどの下味としても見込んでおくと、臭みが取れる上に旨みが増す。シンプルな自家製ドレッシングに加えると美味しさが際立つ。今の季節なら、温野菜に絡めると最高だ。



寒こうじの作り方は姉に教えてもらった。玄米ごはんを使うレシピだけれど、白米のごはんで作るより複雑な味わいになるかもしれない。


★寒こうじの作り方

1.玄米400g(2.5合)を一晩水に漬けてザルに上げ、3.5合強の水を入れて柔らかめに炊く。※水分量は炊き方による

2.米麹400gと塩320gを合わせておいて、粗熱の取れた玄米ご飯と混ぜる

3.数日1日1回混ぜる。

常温で保存。2週間目から使える。

北国に伝わる万能調味料『寒こうじ』。材料は米、米麹、塩の3つだけ。他の添加物は一切いらない。常温で保存できる上、賞味・消費期限はない。
減塩を意識する食生活と、減塩調味料を使う調理法は同じようで同じではないことに気づく。歴史の中で育まれた知恵に太刀打ち出来ないのが令和の現代食ではないだろうか。

カナダで秋田の伝統食を受け継ぐ。
厳しい冬、春、夏越えて来年9月頃まで気長に待つ。


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