「転職エージェント経由より自身で連絡した方が有利」は本当か?
ある発表によると、新入職してから1か月以内に転職エージェントに登録する数は12年前の30倍に増加しているそうです。
この数が良いか悪しいかはさておき、、転職相談の際に「どこの会社が良いか?」や「転職サイトに載っている病院に直接電話した方が有利だ」と言ったやり取りがよく見られます。
これは実際のところどうなのでしょうか?
そもそも転職は何度も経験するものでは無い事が多く、エージェントを使った経験が1~2回で十分に理解できるとは言えません。
今回は転職による複数の職場経験を踏まえて、感じたものをまとめていこうと思います。
「転職エージェント経由より自身で連絡した方が有利」
タイトルにもしたこの話題について先に触れます。
結論から言うと「どちらでも変わらない」です。
その理由を後述しますが、多くの方が「企業にとってエージェント経由だとお金がかかるけど、個人で応募すればそのコストがかからないから」と考えていますが、それは誤解です。
まずはエージェント経由と自分自身で応募のメリット・デメリットを知っていきましょう。
エージェント経由のメリット
1、 情報が多い
現在はインターネットが普及しており、エージェント会社がHP上に多数の求人情報を掲載するのは容易です。特定の場所(学校や技士会HP等)よりも圧倒的に多くの情報が載っています。誰でも見られる情報や、登録してログインしないと見られない情報まで様々ですが、かなりの数を閲覧可能です。
2、 相談が出来る
転職活動に対して慣れている人は少なく、大抵の人は転職活動を始める時に「大きな不安」を抱えています。面接に落ちた時も同様です。
その際、専門家であるエージェントに相談できることは大きな強みになります。人によってはエージェントに助けられた経験が有るかもしれません。
3、 手間がかからない
登録をしておくと、求人情報が出た時にメールや連絡が来るようになっており、応募や見学・面接日の調整まで代行してくれます。
自分で探す手間や日程調整の煩わしさが無いのは大きなメリットです。
4、 希望年収を伝えられる
エージェント経由の場合は希望年収なども事前に伝えることが出来ます。面接などで直接希望年収の事を伝えるのは印象が悪くなる可能性が高いですが、エージェントを通して事前に人事が把握していると、向こうからその話題を出してくれたりするなど、自分から話題を出すより良い結果になりやすいとも言えます。
エージェントは少なくとも貴方の希望年収を聞いてますので、希望年収に近い求人紹介などにより、一定の範囲内で選考を進めることが出来ます。
5、 有利になる事がある
これまでその会社から採った職員が優秀であったり、病院とエージェントの関係性が良好であれば、「このエージェントの紹介だから大丈夫」といった理由で面談が有利に進むことがあります。
6、 未公開求人で有利に転職
未公開求人は「無くは無い」です。
特定のスキル(役職経験やマネジメント経験等)を持った人材を紹介してとエージェントが言われた際に優先的に紹介されることが有ります。
一般公開前に話が進むので、有利になりやすいです。
エージェント経由のデメリット
1、 担当次第である
紹介会社により得意・不得意分野は多少有りますが、決定的な差ではありません。勿論「求人掲載数」は違いが有りますが、希望する職場が載っているかいないかだけの話なので、載っている会社に登録すれば良いだけです。
結局は担当者次第であり、担当者の質によって結果が左右されます。
転職を経験したことが無い担当者や、希望条件を理解できていない担当者に当たる事も有ります。
2、 電話が煩わしい
エージェントからの頻繁な電話や夕方以降の電話を不快に感じる事も有ります。メールやラインだけの会社も有りますし、個人の好みに応じて選ぶ必要が有ります。
3、 不利になる事も有る
有利になる事も有ると言いましたが、逆に不利になる事も有ります。
エージェントと希望する職場との関係が悪ければ、面談を受けてくれなかったり、募集自体が来てない場合も有ります。
それまでに関係を構築している状況であれば有利に運ぶ事も有りますが、その逆もある事を頭に入れておきましょう。
4、 希望を通せるか解らない
「絶対に大学病院に就職したいです」「年収は〇〇以上でなければ嫌です」
こう言った強い希望を持っていても、希望に満たない所ばかり紹介されることが有ります。
その場合断る事になりますが、それまでの時間ややり取り等が無駄に感じる事も有ります。
エージェントは転職を成立させることが仕事ですので、職場の求める条件に合わない応募者を積極的に紹介することは避ける傾向にあります。
個人応募のメリット
1、 情報量は変わらない
昔は個人で得られる就職情報と会社が持ってる就職情報は大きな差が有りましたが、現在ではほとんどの求人情報がインターネット上に公開されており、情報量に関してエージェントを使うのと大きな違いはありません。
2、 身軽である
応募する職場や選定理由などは全部自分自身で決められます。
短期間で転職先に求める条件が変わる事にも柔軟に対応できます。
状況によって選び方の基準を変えられることは大きな強みです。
3、 自分の気持ちで決められる
いつどこに電話するのか、どの地区で探すのか、どの程度の収入を求めるかなど、すべて自分で決めて行動出来ます。
エージェント経由では相手からの助言で動いてしまい、「本当はこうやりたかったのに」と感じる事が有ります。
個人応募のデメリット
1、 手間がかかる
募集している職場を探したり、募集要項から内容を読み取ったり、電話したりする必要が有るため、時間と労力がかかります。
特に忙しい中での転職活動では、負担が大きくなることが有ります。
2、 相談が出来ない
初めての転職の時は、何も解らないと思います。
相談を持ち掛けられる相手がいない場合は、より深い悩みに襲われる事も有り、辛い思いをする事が有ります。
今いる職場を辞める事になるので、職場の同僚や上司に相談出来ない事が多いです。
3、 普通が分からない
2番の「相談が出来ない」に関りますが、普通はこのようなものであるという事が分かりません。
その結果として以前よりも待遇が悪くなる・思っていたものと違う職場に就職してしまうことが有ります。
4、 情報の正確性
個人で得る情報は正確でない場合が有ります。
エージェントは最新の情報を持っている事も有るので、信頼性の面で劣ることがあります。
まとめ
転職エージェントを利用するか個人応募にするかの選択は、それぞれのメリットデメリットを理解し、自分の状況に応じて判断することが重要です。
最後に「エージェント経由より自身で応募した方が有利か」と言う最初の疑問に対して解説します。
病院と言う職場に完全に当てはまる訳ではありませんが、通常企業であれば「新しくスタッフを採用するための予算」という形で、すでにエージェントに支払う予算を組んで募集が出ています。
雑な言い方にはなりますが「予算」は「使う予定」のお金です。
つまり、「使うつもり」の予算を使ったからと言ってマイナス評価にはなりません。
次に来る意見が「全く同じような人の応募が被ったら差が付きますよね?」です。
考えてみて下さい。
貴方と「同じ」人間は居ますでしょうか?
応募者には必ず差が有ります。「予算」は「入って欲しい」と思う側を採用するために使います。
これが「どちらでも変わらない」理由です。
エージェントを使うか使わないかは、自分自身の性格・知識・周りとの関係性や、転職に対する状況を元に検討してください。
転職が当たり前になった現在でも、大きな決断であることに変わりはありません。
後悔の無い選択を心がけましょう。
どうでしょうか?
近々に「実際の自分はエージェント経由と自分で応募のどっちが向いているのだろう?」に焦点を当てて書いていきます。
少しでも参考になれば幸いです。
ではまた
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