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おーい、まりりんガンだってよ。

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「がん」のリアル(前編)

「がん」のリアル(前編)

初めての有料記事です。
読んでくださってる方、誠にありがとうございます。
幾許かのお金を払って読む価値が有るのかと問われても胸を張って肯定は出来ませんが、綴ってみようと思います。

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⑧

別に順応したい訳ではないけれど病院での生活に慣れてきた頃に久々にS先生が病室に回診に来られました。

雑談交えながら色んな話をして…どうして3時間の予定の手術が7時間も掛かったのか聞いてみると穏やかな顔をしていたS先生の表情が瞬時に愚痴を言うおばちゃんみたいに変化して「もうね!大変だったんよ!こう、ぐーっとわぁーと広がりかけてさ、骨盤にびしーっと嵌ってさ!取りにくいの取りにくくないのってさ!あれ取

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⑦

正直な処、人間ってほんとに喉元過ぎれば熱さを忘れる生き物なんだと思います。
こうやって文章を綴るのが苦痛でなくなった今、当時の痛さ苦しさが少しずつ記憶から薄れつつあるのです、そんなに日数が経った訳でもないのに。

医師の指示は「兎に角早く離床しろ。」でした。
痛いから苦しいからと寝てばかりいると内臓も弱り筋力が落ちて本当の意味で起きられなくなるからだそうで、実際私は仕事柄色んな理由で入院し廃用症候

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⑥

「……さん。…さん!」

ん?誰か呼んでる?
何か寒いな…と考えながら目を開けると数人のナースが私に病衣を着せてる最中で。

「体温34℃代です!」「電気毛布!」「はい!」
へえ〜そりゃ大変だね〜なんて思いながらもう一度目を開けると「分かりますか?聞こえてますか?お身体冷えてるんで暖めますね。」
「はい…。」自分の手足が鉛みたいに重いし毛布気持ちいいなぁ。
「7時間掛かりました。よく頑張りましたね

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人工肛門について

書き忘れてた事を思い出しました。

明日は手術だと言う日の昼下りに突然S先生がちょっと年配でちょっと強面でちょっと態度のデカいナースをひとり連れて病室に来られました。

珍しく言いにくそうに発した言葉は「縁起でもないと思うかも知れないけどさ、腸を切除してその部位や範囲によっては人工肛門を造設しなきゃならないんだわ。それで…その場所を決めておきたいんだけど。」と。

そんな事を言われても拒否権なんて

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⑤

落ち着こうとして落ち着かない日を過ごしいよいよ2度目の入院当日となりました。
前回の強烈な下剤の後遺症(?)が未だに残りお尻が痛い絶食明けのそんな朝、旦那の運転で病院に向かいます。

病院入口で来院目的と名前を告げると検温され入口前の椅子で待つ様に促されます。
この日は9月のお彼岸前でまだとても暑く待ってる間にどんどんぐったりしてくる自分を感じていましたら、日頃つまらない事では滅多に怒らない旦那が

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おーい、まりりんガンだってよ。④

おーい、まりりんガンだってよ。④

兎に角生涯で経験した最凶最悪の腸の大運動会に耐えたのも「これさえ終われば解放される。」と云う全く根拠の無い理由からでした。
病院に着き術着に着替えて検査台に横たわると後は麻酔をされてるので痛みを感じる事は無く、時折「くりゅっ」みたいな感じの抵抗はポリープを取ってるんだなと何となく解る感じ。
そのまま病室に運ばれて「ここでお休みください。」と告げられ安堵と共にぼんやりしていると先程の大腸カメラの医師

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おーい、まりりんガンだってよ。③

おーい、まりりんガンだってよ。③

帰宅すると旦那がリビングで新聞読んでて。
「おかえり〜。」とのんきな様子で振り返ったのですが。
すぐに新聞をたたみ、座り直して「何か有ったの?」と聞いてきまして。
後に聞いた処によると玄関開けて「ただいま。」と言わずに入ってきて尚且物凄く困った顔をしていたそうです、自覚は有りませんでしたが。

相手が水を向けてくれたので医師の言葉をそのまま伝え明後日に大腸カメラをするんで明日の夕方以降は絶食になる

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おーい、まりりんガンだってよ。②

おーい、まりりんガンだってよ。②

お定まりの検診を済ませて最後に内科検診に。
ドクターチェアに座ってたのはさっきのお偉い先生。
「あれ?この先生専門は外科だって言ってなかったか?」と目線をずらすとドクターチェアの脇に内科のドクターが恐縮しながら立ってるし。

「どうです?最近?」
最近?何それ?「儲かりまっか?ぼちぼちでんなぁ。」みたいな挨拶?
「疲れてない?」
「そりゃまぁ。クラスターが大変で!ああで!こうで!」
一連の愚痴を黙

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おーい、まりりんガンだってよ。

おーい、まりりんガンだってよ。

9月5日

どうも。
目指せCancer Serviverまりりんです。
施設のクラスターに翻弄され忙しいを振り切って感覚が麻痺しかけていた夏の終わりの事でした。
妙に尾てい骨から仙骨にかけて痛みを感じる様になりました。
昔バイクですっ転んでお尻を強打したのと同じ位置で同じ痛み。
台風のせいで気圧下がってるし古傷痛んでるなくらいの感覚でいたのです。
そんなある日の夜勤明け。
疲れは確かに溜まってい

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