土を焼く技⑤ 新製品の誕生
江戸時代の間、瀬戸製品や常滑製品以外にも特長的な製品が誕生(成長)している。以下その代表的なものである。
一つ目は三州瓦。瓦に適した土に恵まれ、矢作川水運の利がある西三河南部の高浜では、江戸中期頃には専門職人による瓦づくりが成立していた(最古の事例として「享保8年、三州高浜村瓦屋甚六」と刻まれた瓦焼狛犬が高浜市内で確認されている)。三州瓦と呼ばれた高浜の瓦は、水運を利用して、防火対策として町屋の瓦ぶきが進み始めていた江戸へと送られた。現在、三州瓦は全国の粘土瓦のシェアトップ