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Funny

モノクロ制作中に、突然の訃報。

札幌時代にお世話になったリスナーさんが天国へ。別のリスナーさんが教えてくれた。

14年程前、札幌市西区に「おもちゃのファニー」と言う玩具店があった。元々、お母様が経営なさり、お亡くなりになった後は息子さんが継いでいた。ラジオネーム「ファニー」さんだ。

ファニーさんは西区のコミュニティFMのリスナーで、人気パーソナリティ:フッキーさんのヘビーリスナーだった。私は、当時フッキーさんが経営していたラジオBar「雅龍」に入り浸り、そこでファニーさんと出会ったのだ。体格が非常に良く、穏やかな性格で、とにかく優しかった。

その頃、私はパーソナリティに成り立てで、いつも失敗ばかりしては雅龍で飲んだくれていた。カウンターの中で叱咤激励するフッキーさん。客席には、いつもファニーさんの笑顔があった。ド素人の私が、いきなり今日から卓(ミキサー)操作するなど出来るはずもない。ましてワンマンDJなんて!・・・一昨日も昨日も今日も明日も明後日も失敗し、ほとほとションボリしていると、ファニーさんがこう言った。

「ひとみちゃん!ひとみちゃんは、そのまんまのひとみちゃんがいいんだよ。上手な話なんて誰も望んでない。ひとみちゃんは上手くならない方がいい。上手くなったら、つまんないからね。今のひとみちゃんが面白いのさ!」

カウンターの向こうでフッキーさんが「おまえ!それ!ひとみちゃんを馬鹿にしてるだろう!?」と大笑い。いや、あの言葉にどれだけ勇気付けられ、元気をもらったことか・・・。未だに、失敗するとファニーさんの言葉を思い出す。

あれはいつだったか、店を畳む事になったと言われ、ファニーさんに会いに行った事がある。少しでも力になろうと、おもちゃを買おうとしたが「やめときなさい。持っててもしょうがないから」と言われ、買うどころか「はい!プレゼント!」と、ドラゴンボールの悟空が描かれた蛍光ペンをくれた。大好きなピンク色だった。

そして2006年。

私が札幌を離れる時、フッキーさんが送別会を開いてくれた。皆で朝まで、店の酒が全て空っぽになるまで飲んだ伝説の会(笑)。今では缶ビール1本で、グラスワイン1杯で簡単に酔うほど弱くなってしまった私だが、あの頃は相当飲んだ。会の席にはファニーさんがいた。

「ひとみちゃん、本当に東京に行っちゃうの?札幌に居なよ。」

そう言ってくれたファニーさん。
最後に交わした言葉は、

「ひとみちゃん、ラジオ、また、やんなよ。ひとみちゃんは、ラジオ、やった方がいい。」

ファニーさん、ありがとう。
どうぞ安らかに。。。

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送別会で撮った写真。余りに飲んだくれの顔なので公開出来ずゴメンナサイ(苦笑)

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