#045. 「やる気」の管理人.
(1) やる気に関する2種類の考え方.
前回、 企業の生産能力を やや強引ながら数式にしました。
DA = ( H_Abi × H_Time × H_C × H_Y )
+ ( S_Abi × S_Time )
人間が働いていて生産するモノゴトと、
設備が働いて生産するモノゴトとを加算すると
その企業の生産能力になる仮説です。
ここで かなり抽象的であり 不安定な要素となるのが
(H_Y) Yes、人間の「やる気」の部分です。
企業と従業員の「やる気」の維持や関係性については、
2つの考え方が存在しています。
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(2) 「やる気」の管理は、組織の業務.
まず。 一つ目の考え方は、
たくさんの人が組織を形成し、目標に向かって仕事を
進めてゆくにあたり、個々の「やる気」の管理は、
「組織や上司にとっての、重要な仕事や課題」の一つである、
の考え方です。
自衛隊 メンタル教官 下園壮太さん著書
「心の疲れをとる技術」 P.99に、
モチベーションコントロールは、
リーダーの重要な仕事だ
と明記されています。
たとえば 有事の際、隊員が
「自分、まだまだ いけます!
非常事態です、もっと戦わせてください!」
といったような場合でも、長期戦をみすえて
キッカリ時間で区切り、且つ、モチベーションも
落とさないようにするのが 上官の仕事である、
の考え方です。
無理させると、フィジカルも メンタルも回復が
追い付かなくなってしまうので、そうならないよう
上官や環境やルールでコントロールするわけです。
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(3) 「やる気」の管理は、自己責任.
もう一つの考え方は、
「やる気は、個人が管理するモノ。自己責任。」です。
組織が掲げているミッション、ヴィジョン、バリューがあり
そのミッションに共感して 社員は、仕事をしているのでしょ?
だから 個々の「やる気」は、従業員ひとり一人が
しっかりと自己実現したいことを持っていて、それを、
この会社で実現したのならば Win-Winだよね。
もし。従業員さんが自己実現したいことと、
会社のミッションとが不一致になってしまい「やる気」が
下がったなら、あなたが望んでいる「自己実現」と
マッチする別の企業に 転職してくださいな。
その方が 輝けるはずだし、あなたにとっても、
会社にとっても、幸せな選択肢になるはずですよね。
と云う考え方です。
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(4) どちらが先にあるべき?
前述(2)と(3)とは、相反する要素があります。
片方は、「組織の課題」と捉えていて
片方は、「個人の課題」と捉えているためです。
私は、
「どちらか 一方だけが正解ではなく
両方が存在して、ようやく組織活動が成立する」
と考えています。
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(5) 少し具体的に.
組織側が意識・考慮すべき点は、公平、公正であることです。
会社員なら、公平、公正な人事評価と昇格が最大の要素です。
そして、会社側から チャンスや機会を 従業員へ平等に
与えることも重要になります。
たとえば、社内に「海外経験を積みたい」と考える
エンジニアが複数居るなら、チャンスを平等に
アナウンスする、といった 当たり前のことです。
Aさんには連絡するけど、Bさんには連絡しない、
といった組織は、遅かれ早かれ優秀な人材から去っていきます。
しかしこれは、実際、組織の中で かなり発生している
不平等になります。場合によっては、上司が 単に
「忙しい」を理由に 情報展開を忘れてしまったいた、
なんてこともザラにあります。
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一方、個人の方も 自分の意志を持たず
「すべてを組織が提供してくれる」の考え方でいると
成長もスキルアップもありませんので
遅かれ早かれ 組織にとって不要な人材となってしまいます。
極端な例が「会社にいれば給料を貰える」としか
考えていないケースです。
自社の収益構造を理解し、なぜ売り上げが発生し、
なぜ収益が発生し、そこから給与が分配されていることを
意識せず、改善のアクションを取らない従業員は、
企業にとって不要です。
ジョン・F・ケネディの演説を引用するなら
「アメリカが あなたのため に何ができるかを問うのではなく、
あなたが アメリカのために何ができるのかを問うてほしい」
であります。
「海外経験を積みたい」の例にすれば
もし会社組織が平等に機会を展開してくれたならば
ライバルと競り合って、チャンスをモノにするには、
個人の努力が必要です。これは、自己責任の部分になります。
チャンスを平等に与えるのが組織の役割であり責任、
チャンスを獲得するのは、個人の役割であり責任です。
どちらか一方だけでは、成立しません。
Anyway, 多くの場合、チャンスは、突然 転がってくるものです。
いつでも飛び掛かれる体勢と
心の準備をしておきたいものです。
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最後まで お読みいただき ありがとうございます。
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<参考図書>
自衛隊メンタル教官が教える
心の疲れをとる技術
下園壮太