見出し画像

ヒトラボ<CASE-1>

僕はとある研究室に勤務する、名もなき学者の卵だ。
日々、様々な研究を重ね、分析し、この世にあるヒト・モノ・コトを全て解き明かしていきたいと思っている。

僕のラボには毎回、変わった研究対象の依頼が舞い込んでくる。
それは、他のラボでは扱わない特殊な案件だからだろう。

ここで公表するデータは、そういった分析の結果はもちろん、僕たちのラボの日常をお見せできれば、と思っている。

そんな僕のラボには・・・と、どうやらまた仕事の依頼が来たみたいだ。
紹介はまた今度ゆっくり。

さぁ、今回の研究対象は・・・

≪男も女も、持つ”もの”が増えた時、
その持っている”もの”を雑に扱う傾向にある。≫

という事例について、だ。
この持つ”もの”、というのがただの「物」ではないということで、
我が研究所に回って来たわけだね。

表現があまり良いものではないデータ内容が出てくる可能性もあるが、正確な分析をする為にも、ご了承いただきたい。

・・・きっと綺麗な結果は出てこないだろうからね。

さて、分析していくことにするよ。


本来持たなくてもよいもの、持つべきはずのないものが手元にある状態が、最初に手にしたものだろうが後の追加だろうが、それらを「雑に扱う」という、この症例。

まず、ここで扱う対象となるその [もの] の正体は、
ずばり、[ヒト : 人] だ。

一例としては、

「本命<は>大事にする」という言葉を発する対象者がいる。
これは、隠れて別の相手に手を出し、増えて持った[もの]、つまり [浮気相手] を保有している、という状態であり、その時の深層心理として
「[本命]ではない相手=[浮気相手]を大事にするつもりはない」
つまり「遊びだ」ということを表しており、さらにそこに隠されている見逃しがちな事実として、
別の相手が存在する=本命に対しても誠意がない=雑な扱い
ということも証明されていることから、今回の症例の最も基本的事例として多く報告されている。


何も持たざる者からしたら、不届き千万な話だ。
僕なら・・・いや、ここでの個人的見解は意味のないものだ。

発症の原因として考えられる要因として、

もし、「自分が好意を寄せる相手とはうまくいかず
とくにそこまで好きでもない相手となんとなく付き合った」とする。
<いちを>だがその人が [本命] になるわけだ。

次に、その状態で、自分に好意を持って近づいてきた人がいたとして、
自身も別に嫌じゃなかった時、そこでその<いちを>の [本命] に義理立てするか否か、という選択をすることになる。

この時点で、あわよくば「本命のすり替え」などというズルい考えで、多くの場合、欲に欲に勝てず、結果、余計に手にしてしまう、という原因で発症するのではないか。

そうなると、<いちを>の [本命] も、その後に現れた相手のことも、自分の心に重みのある存在として置くことができず、一人一人が軽い存在でしかないが為に、余分に手にしてしまう、という本質が明らかに。

それは<いちを>の [本命]ではなくても、この本質は適応されている、ということが多くの事例データから算出されていることから、それに基づき、我々が考える発症原因は、

「対象者が対象者以外を想う心の比重にある」

と考える。

幾ら手にしても、個々が軽いわけだから、幾らでも持とうとする者も現れ、数を持つことで大きな勘違いを起こすことが、分析でわかっている。

「自分はこれだけ持てるんだから」と己のキャパシティーを見誤り、結果、扱い切れずに雑になる。そして、雑に扱うことは自らの負担には一切ならないことが更に誤った過信を増幅させる。

この過程で出来上がるのが俗にいう、【クズ】(注1)という生物だ。

つまり、対象者=クズ の、己以外を思いやる器の欠損と、自己能力判断の欠落によるものが、今回のケースの発症原因であるといえるだろう。

希少種として稀に、幾ら手にしようと同じ比重で同じように扱うことができる者もいるとの報告もあるが、❝ヒトは必ず優劣選別は無意識化でされる❞(*注2)とされていることから、種としては同種としての認識で相違なし。

以上が今回、我々が導き出した分析結果だ。


結果をまとめ、依頼主に送信っと。これで今回の僕の仕事はひとまず終了だ。
研究に没頭してしまうと、分析すればするほど、ついその対象に惹き込まれてしまいそうになる。つくづく、ヒトとは面白い生物だと知る。もっともっと知りたい。

今日はこのへんで。また次のケースでお会いしよう。
それでは、良い眠りを・・・
now saving...shutdown,,,See You!!


(注1)【クズ】という生物に関しては、重要研究対象として認定されており、生態についてまだまだ奥が深く、以前より我々のラボでも取り扱っているが、今後も継続して研究していく。

(*注2)「ヒト行動研究データ」より引用

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?