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#160 愛おしい作品 ブライアン・ウィルソン『イマジネーション』

最高に愛おしい作品です。

#ビーチ・ボーイズ のリーダー #ブライアン・ウィルソン が作り上げた、夢のように美しい作品集。音質も透明感があり、キラキラして最高です。

シンセサイザーやアコギを多用した、ちょっと彼にしては珍しいサウンドで、このことから、ブライアン・ウィルソンらしくない(看板である #ウォール・オブ・サウンド 風ではない)、と、今一つ人気が出ないのですが。

ですが、私にとっては、リアルタイムの新譜で、本当に本当に青春時代によく聞きましたし、アルバムとしても、とても優れたもののように思われます。

ブライアンのソングライティングは、もはやいいのは当たり前であって、トレードマークである一人多重のコーラスワークは、さらに複雑さを増し、それでいてそれは難解さではなく、ポップさに直結しています。

表題曲で1曲目を飾る「ユア・イマジネーション」は、ブライアンの性格をポジティブに前向きに描写する曲。ベタな展開の曲ではありますが、サビと最後のサビで一工夫。そして、なによりも、コーラスワークと美しい音質が、このアルバムへの期待を高めてくれます。

コーラスワークといえば「ドリーム・エンジェル」は、彼の作り出したコーラスワークの中でも、ベストに数えられるものの一つでしょうか。絶好調の彼のコーラスワークは、どこが主旋律かわからない、コーラス自体が主旋律といった趣がありますが、サビにおいてまさにそれが聞けます。

バラードも聞かせます。「シー・セッド・ジーズ・ニーズ・ミー」は、ビーチ・ボーイズ時代のお蔵入りトラックではありましたが、それを、更にセンチメンタルに再現。クラリネットの使用などアレンジに新機軸。

「キープ・アン・アイ・オン・サマー」は正真正銘、ビーチ・ボーイズで発表された楽曲ですが、やや、アレンジやミックスに粗雑さを感じる出来でした。今回の再録音では、アレンジは洗練され、歳を重ねたブライアンのボーカルもかえって好ましい。いい忘れていましたが、このアルバムは、季節でいうと、初夏から初秋の雰囲気があります。

そんな中で「クライ」は晩秋に近い、寂しさや感情の深さを感じます。私が若い頃、このトラックのみ、暗く、とっつきが悪く感じていましたが、歳を減ると、この曲の良さがわかりました。ブライアンは意外に短調の曲を好むことがあるようです。

そこから、シンセの持続音でつながる、「レイ・ダウン・バーデン」は、ブライアンの永遠の名作として語り継がれるでしょう。肺がんでなくした弟、カール・ウィルソンに捧げられた名バラードです。

ここで取り上げられなかった曲も、すべていい曲ですよ。中古市場は、この作品に関して冷淡で、1円で買えてしまうこともあります。500円くらいがだいたいの相場でしょうか。高音質版もありますが、それはさすがに安くはなってません。

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