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ハイレモンな女子について語る


私の職場には、5歳年下の派遣社員の女子がいる。

一見、純粋で清楚な美人といった感じで物腰も柔らかいイメージだ。

初めてうちの店に
派遣コーディネーターさんと面接に来た際に、一目惚れをし、ほぼほぼ面接もせずに直感で
「この方でお願いします」
と、言ったぐらい
パッと見の好感度が高いのだ。


ところが、だ
実際の彼女は超毒舌キャラだ。

堂々と笑顔であらゆる人たちの悪口を言っている。

そして、笑顔でこう言う。


「私、悪口言わないと生きて行けないので。」


もちろん、仕事は真面目である。
お客様にも当たりが優しく、業務の覚えも早い。

効率的に動くこともあれば、ノートを見れば綺麗に業務のメモを取るような細やかさもあり

派遣コーディネーターさんが、即座におすすめしてきたのも頷ける程、優秀な子である。

しかし、どんなに仕事が優秀な子でも
悪口、毒舌キャラというものは、職場の輪を乱すものとして嫌われるのが普通だ。

実際、それで職場で居場所を失った人たちもたくさん見たし
自分自身も同じような失敗を経験したこともある。


これが普通なのだろう。


不思議なのが、それが例外になる子が稀にいる。

それが彼女なのだ。

笑顔で悪口を言っている時の彼女は
どんな時よりもイキイキしている。

水を獲た魚のようだ
とはまさしくこういうことを言うのだろう。


なのに、なぜか嫌いになれない。


言っている内容はなかなかな内容だ。
普通なら糞人間確定だ。
なのに彼女に関しては嫌いになるどころか
むしろ好きである。

見ていて面白いし飽きない。

そして、それが私だけなのかと思いきや
メンバー全員がそういう現象なのである。
本当に不思議だ。


そんな彼女がある日私にこんなものをくれた。

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ハイレモンだ。

とっても懐かしいイメージだが
実は食べたことがない。


その日、とっても仕事が忙しく
ようやく一段落ついた時に彼女がこれを箱ごとくれた。

就労時間が終わり疲れきっていた時に
1粒食べた。

その1粒をかじった瞬間
レモンの酸っぱさと糖分の甘みが身体中に染み渡っ
た。

美味しい。

あまりもの美味しさに思わず涙が出そうになった。
一瞬にして、その日の疲れが吹き飛ぶようだった。

こんな変哲もないただのラムネのようなお菓子が
どうしてこんなベストセラー品なのか理由が分かった。

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よく見ると、ただのお菓子ではない。
1日当たり6粒を目安にした
栄養機能食品だった。

なるほど、納得だ。


そして何より嬉しかったのが
自分だって忙しかった筈なのに
休憩時間にわざわざ私の為にこれを買いに行ってくれた彼女の心だった。

その時、気づいた。

あぁ、そうか。
彼女は毒を吐いてはいるが、根っこはとても優しく愛情のある子なんだと

それがなんとなくにじみ出ているから
みんな彼女が大好きなんだなと。


まるで甘酸っぱさで人の心を癒してくれる

ハイレモンのような子だ。


そんなこんなで数週間が立ち
今日、ひょんなことから
この時の話になった。

そして、彼女はこう言った。

「あ~、私ハイレモン食べたことないんですよね~。○○さんレモン好きそうなイメージだったんで適当に選びました w  私、レモン嫌いなんで、あれは絶対に食べません。」


やっぱり毒舌は今日も絶好調だった w


最後に

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本日、本社から送られてきた冊子に載っていた
某動物園の写真を見ての彼女のひとこと

「しまうまの上にキリンが乗ってて、ブレーメンの音楽隊みたいになってます」


なるほど、天然キャラでもあるのか。



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