さあ、飛び込め! #書もつ
暑い、暑い・・字を見るだけでも汗が出る人もいるかも知れません。夏は暑いものだと分かっているし、何十年も経験しているけれど、なぜこんなに暑いのか。
もう何もかも脱ぎ捨てて、冷たいプールに飛び込みたい。
DIVE!!
森 絵都
プールを使った競技とはいえ、あまり知られていない「飛び込み」と出会い、成長していく少年たちの物語。
飛び込むまでの技やその形の美しさだけでなく、着水時の飛沫が少ないほどに得点が高い、知られざる競技のことを学びながら読み進めていきました。
また、物語の推進力もとても強く、才能を見出すことの驚異的な判断力だったり、競技に向かう少年たちの葛藤であったり、一瞬の競技の裏側にある長い長い時間を垣間見るような、臨場感のある描写でした。
ともすれば、少年たちが成長していくことが美しいという物語で終わりそうですが、登場する人々の様々な立場から、読み手が「応援されている」ような心境になりました。
それは、スポーツをテーマにした小説をいくつか読んでいた経験はあるにせよ、ふだんとは違う体験でした。天才や秀才の物語であるだけでなく、葛藤があり、そこには読み手が容易く重ねられる人物がいたからかも知れないと思うのです。
暑いときこそ、冷たい水に飛び込む爽快感を求めて読んで行くような、夏に似合う作品です。
本を読むだけでは筋肉はつかないけれど、本を読むだけで、追体験ができます。マイナーな競技だからこそ、読み手の想像力が掻き立てられて、想像が膨らむのかも知れません。
スポーツに限らず、一つのことに打ち込むと、その世界が、生活のほとんどになることがあります。僕は、特に中学生や高校生の時には、そんな感じが強かったです。
僕は、トランペットを吹いていました。中高は、吹奏楽部。大学はビッグバンドでした。
夏休みは、いつもコンクールやコンテストがありました。中学、高校、そして大学。10年間の夏休みは、いつも練習に明け暮れ、舞台に立っていました(厳密には座って吹くのですが笑)。
昨年、コンクールやコンテストは軒並み中止になっていました。
そんな、いつもと違う夏を過ごした中高生が、今年こそ、泣きたくなるほど練習して、舞台上で震えるくらい緊張して、忘れられなくなるほどの感動をしてほしい、そんなふうに思いながら書きました。
吹奏楽コンクール、いまの時期は都道府県大会でしょうか。どうか、練習してきたことを信じて。
さあ、飛び込め!
気持ち良さそうだけど、真似したくない感じの、岩場からのダイブ!海に飛び込む身体的な冷たさと、あんなに高いところから・・!と恐れおののく心理的な冷たさ・・深いサムネイルですねぇ(考えすぎ)。infocusさん、ありがとうございました!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd