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君は、マハラジャマックを食べたか

混沌とした市街地や、豪華な遺跡群や、タージマハルを代表とした大型建造物など、見所がたくさんある国、インド。食べ物は、何といってもカレーです。つねに、カレー。

どうしてもインドに行きたくなって、ある夏の終わりに行ったときの話を。

インドには、観光におけるゴールデントライアングルと呼ばれる地があります。それは、デリー(フマユーン廟、ガンジーの墓所)、アグラ(アグラ城)、ジャイプール(タージマハル、ピンクシティ)です。これらは建造物がとても有名で、世界遺産にもなっているものがあり、とても見たかったのです。

そのゴールデントライアングルを巡る旅と、ガンジス川が流れてインド的な景色が広がる、バラナシに滞在したくて、エアインディアに乗り込みました。機内食が美味しいと聞いていたので、せっかくインドに行くのだから、とチョイスした航空会社でした。

確かに機内食は美味しくて、隣の人はおかわりしてました。機内食って、おかわりできるんですね。

空港からホテルに着くと、フロントに普段着のおじさんが。従業員の友達かと思っていたのですが、どうも違うようで、チェックインもそこそこに声をかけられ、オフィスのような部屋に通されました。巻き舌の強めな英語に苦戦しつつ、何が始まるのか警戒していました。

だって、インド人って嘘つきだから。

そのおじさんはツアコンでした。行きたい場所を聞いて、ツアーを組んでくれるという親切なおじさん。でも、僕は日本で全部予約していました。だから、ずっと断っていました(笑)

翌朝、ホテルの前の道で買った何だかわからない揚げパンとチャイを買ってお腹に収め、ゴールデントライアングルツアーの迎えの車を待ちました。

それらしき人が来て、車に乗ると、ほかのツアー客はいませんでした。つまり、僕のプライベートツアーだったのです。海外のツアーで、そんな体験したことがなかったので、これはとても嬉しかったです。

そこから3日間、ドライバーつきガイド付きの車で、ゴールデントライアングルを満喫しました。長くなってしまうので割愛しますが、どこもとても印象的な場所でした。タージマハルでサリーを着た日本人を多く見かけましたが、なんだか違和感があって、それは京都で舞妓の姿をしている外国人のようでした。

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3日間、どこへ行ってもカレーを食べていたので、地方によって味が違ったり、デザートで出てきたドーナツが、歯が溶けているように感じるほど甘かったり、インドのカレーの奥深さを知るのでした。車での移動は一日に数百キロということもあって、半日くらい乗りっぱなしだったのですが、一人だったので、とてものんびりした旅でした。

バラナシへは国内線に乗って向かいました。

ホテルに着くと、フロントの人が「猿がいるから、気をつけてね。窓は開けないように。」と言われ部屋に。外の景色を見ようと窓に近づいたら、すぐそばに猿がいました・・ホントだ。目つきが悪いとか、そういう怖さはなかったのですが、引っかかれて怪我でもしたら大変なので、窓は開けずに過ごしていました。しかし、部屋のエアコンが壊れていたらしく、夜中になっても眠れず、汗だくでフロントに行った記憶がよみがえってきました・・。

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バラナシには、日本語が流ちょうなインド人たちが多くて、まぁ絡まれました。

「今日から友達だ!」みたいなことを言う割には、・・これからシルクのお店に・・紅茶は買って行く?・・ガイドするよ・・などとセールスが始まってしまい、だんだんと信じられなくなってくるので、結構めんどくさい場所だなぁと思っていましたが、後から思い返すに、世話焼きな人が多いのかなぁと思いました。

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バラナシから、ニューデリーにもどり、最後の夕食の時間。もうツアーでもなく、個人行動だったこともあって、いい加減カレー味にも飽きてきたので、なにか違うものを食べたい・・と思っていました。調べてみると、近くのショッピングセンターにマクドナルドのマークを発見。

勇んでマックに向かいました。ケチャップ味のハンバーガーを頬張る姿を想像しながら(笑)

店について見ると、いわゆるご当地マックとよばれるような特徴的なハンバーガーが多くありました・・というか、インドでは牛を食べないので牛肉を使ったハンバーガーが無く、むしろすべてご当地マックでした。

中でも、ビッグマックのような、何層にもなった分厚いハンバーガーの写真があり、maharajah-macの文字が・・マハラジャ・・気になる。

せっかくのインド、一番大きなハンバーガーを頼もうではないか、とマハラジャのような気分を装って購入。写真のとおり大きなものが出て来ました。

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冒頭、インドはカレー文化であることを書きました。旅の間、本当にずっとカレーでした。観光客にはカレーが一番!日本人ならカレー好き!ってな感じで、どんどんカレー味のものでした。それに飽き飽きして、僕はマクドナルドというアメリカンなお店に入ったのです。

一口食べて、気がつきました。

あ、ここはインドだったんだ。マクドナルドじゃなく、インド。そして、マハラジャになったんだった・・。

ケチャップや、マスタード、ピクルスなどの香りが絡み合った、あの味・・ではなく、「カレー」・・その味だったのです。

一人涙をこらえながら、浅はかだったひとり旅の発想を詫びました。結局、次の日に乗った帰国便もエアインディアだったので、最後の最後までカレーから逃れられず、帰国した空港で食べたラーメンの美味しさに、いたく感動するのでした。

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カレーの香りが漂ってきそうなサムネイル・・infocus📷さんの作品です!バラナシには、こんな光景がいくつもありました。サムネイルにいるおじさんが沢山います。「お前、マホメットに似てる!」と言われ、謎の粉を売り付けられそうになった記憶が・・。

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