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置かれた場所で咲けないこともある

「置かれた場所で咲きなさい」
有名な言葉だ。この言葉を座右の銘にしていたこともあったっけ。

最近、ベランダ菜園をしている。
ミニトマトを食べる前にタネだけ土にぶちゅーっと絞ってお水をあげると、数日後には芽が出てくる。ミニトマトの成長、結構すごい。
その要領でピーマンもやってみた。
いつも捨ててしまうピーマンを、ミニトマトと同じ土に植えて水をあげてみた。
しかしピーマンはいつになっても芽が出てこなかった。
だからピーマンの苗を買って、違う土にして植えてみた。
その苗はグングン成長している。

ピーマンのタネはどうして芽生えなかったんだろう。
土が合わなかったのか、寒すぎたか。そもそも繁殖能力がない種だったか。
どちらにせよ、あの種にとってあのプランターは合わなかった。
芽吹くこともなく、土の中へと消えてしまった。

「置かれた場所で咲きなさい」
この言葉を知った当初、とても素敵な言葉だなと思っていた。
環境が変わっても、自分が望んでいなかった環境でも、そこで自分という花を咲かせる。
自分が持つ魅力をそこで開花させる。
その環境で自分にできることをする。
そんなふうに私は受け取っていた。

でもある時思った。
「どうしても置かれた環境で咲けない場合もあるよね?」
どんな環境にも適応できて、その場所で自分なりに逞しく生きていける人もいる。
でも、どう頑張ってもその環境では芽すら出なかったり、頑張って芽を出してみたけどそれ以上耐えられず枯れてしまったり、ぱっと見は綺麗なんだけれど根が腐り始めて次第に枯れていったり。
植物を見ていると同じ土だろうと、同じ種類だろうと、育たないことはある。
それって人間も一緒じゃないかなと思っている。

その環境に適応できないこどを、その人の努力不足だという人もいる。
ここではそんな段階の話はしていない。
努力してみて、悩んでみて、考えてみて、やってみたんだけど、やっぱりダメだとなるときの話をしている。
「どうして私ダメだったんだろう」となっている人が何もしてないわけがない。
周りから見たら何もしてなかったように見えても、その人の中ではたくさんのことをした。

誰にでも、どうしてもダメな環境、無理な環境、受け付けない環境ってあると思う。
それがプライベートだけで済む人もいれば、職場にもある人もいる。
それって普通だよね。
どこにいっても自分の花を咲かせなきゃなんて気負わなくても大丈夫。
どうしてもあなたの魅力が咲かない環境はこの世の中にある。
ここにいたら心が枯れちゃうなとか、きれいな状態を繕うことはできるけど生きている実感湧かないなとか。
そう思ったらその環境と距離を置いてみることも必要かもしれない。

その環境に合わなかった自分を責めちゃう人が多い気がするので。
どうか責めないであげてね。

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