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パティシエが考える5つのデザイン思考inプティガトー。

 このnoteでは、私がお店で提供するケーキを新しく考えるときに使う5つのポイントを紹介します。

プティガトーというのは小さいケーキという意味で、ここではケーキ屋(ホテル内のケーキショップも含む)で売っているサイズのケーキのことを指します。

パティシエでなくてもケーキが好きな方なら、好きなケーキ屋のシェフがそのケーキに込めた情熱を読み取れるかもしれません。
ケーキ作りのストーリーがわかると味わいもまた一味違うと思います。


1;大まかなケーキの種類
2;メインの素材選び
3;メインに会う素材選び
4;生地
5;仕上げ、見た目


1;大まかなケーキの種類

 ●まず作りたいケーキの種類を考える
ケーキの種類というのはフルーツムースやチョコレートケーキ、シュークリーム、オペラ、ババなどの大まかなイメージ。
これは季節やイベント事、お店のイメージで制限は出てくると思うが、まずは自分なりに作りたいものを思い浮かべるといいと思う。


2;メインの素材選び

 ●自分がゲストに何を食べさせたいかを決める。

 フルーツであれば旬も考慮する。
チョコレートを夏に提供するのであれば軽く食べさせる工夫が必要。
ここで選ぶべき素材は一般になじみのある素材がいい。(例えばグァバやジャスミン、アボカドなど副素材では活きるかもしれないが、メインには持ってこないほうがいい。もちろんそういうテーマのイベントで提供する、ゲストからの依頼であれば何の問題もありませんが、、、)

 最初のうちは↑のような考え方でいいが、慣れてくると『自分がゲストに何を食べさせたいかを決める。』ではなく、『ゲストは何を食べたいか(あなたのお店に来るゲストは何を求めているか)』という考え方をするべきだ。


3;メインに会う素材選び

 メインの素材が決まると副素材を考える。

 ●同じような味わい。
(苺とラズベリー、ラズベリーとハイビスカス、パインアップルとパッションフルーツ、チョコレートと珈琲、抹茶と胡麻など)
↑を見ると色合いも似ていることがわかる。
なのでメイン素材が決まり、副素材を決めるのに迷っているときには同じ色で連想してくるとしっくりくるものが思いつくでしょう。

 ●メイン素材を引き立たせるもの、アクセントになるもの。
(キャラメルとパッションフルーツ、チョコレートとナッツ、抹茶とライムなど)

 ●産地が同じ、もしくは近い。
(バナナと珈琲、パッションフルーツと黒糖など)

この副素材選びで作る人の好きな傾向や作りたいお菓子が見えてくる。


4;生地

 ●柔らかさ、味わい、油脂分の量、生地の浸透率。

 わかりにくいかもしれませんが、メインの素材を最大限に活かすにはありきで生地を考える。
各パーツの柔らかさ、くちどけの良さにより生地を変えていく。
またメインの素材や副素材の余韻を残すかなくすかでも生地を変えていく。


5;仕上げ、見た目

 ●第一印象を良くする。

 フルーツたっぷりのタルトにぬられているキラキラのジャムや、チョコレートムースにかけられているピカピカのグラサージュ、タルトシトロンのイタリアンメレンゲを焦がす具合など。

 人は何か味わうときには目から入ります。香りも大事ですがケーキ屋のケーキと考えると香りは一口味わってから香りがくると考えます。
なので見た目は大事。

切り口が綺麗ないろんな層があるケーキ、丸みを帯びたシリコンの型のケーキ、フルーツを同じ大きさで切るなどの工夫で見た目は全然違う。

 ●飾りでケーキの味を説明する。

 オレンジとチョコレートのムースにはフレッシュオレンジやチョコレートパーツを。
珈琲のケーキには珈琲豆を砕いて作ったヌガティーヌを。

 ケーキ屋にはケーキの名前を記したタグはありますが、自分がいざ食べるときに手元にはないことがほとんどでしょう。
なのでゲストに『これが何のケーキなのかを作った人でなく、ケーキ自身に説明してもらう』というもの。


という風に紹介した5つのポイントに沿ってケーキを考えていけば、より良く、より美味しく心躍るケーキが思いつくでしょう。

パティシエでない人も、いつも食べるケーキを違う角度で見れるのではないでしょうか?


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