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ヨーロッパを旅した100の感想:49.学ぶためか逃げるためか

日本では、日本から出るのは大抵留学目的出会ったり仕事のことが多いと思うんです。

実際に私も英語やフランス語を学ぶためにヨーロッパに来てますからね。

しかし、この旅で知ったのは学ぶためや仕事のためだけでなく祖国から逃げるために国を離れる人もいるのだなということですね。

いや、亡命という言葉があるので逃げることを選ぶ必要がある人々がいるということは知ってはいたんですが、あまり実感がなかったというか。

平和ボケというか、まあ戦争を知らない世代なので平和が常駐してる世界しか知らないのですが、それは日本だけだったのだなという実感ですね。

ドイツで会った青年に気付かされた現実

私はだいぶ世間知らずで育ってしまいました。それだけは言っておきます。

なので、これから書くことは人によっては当たり前すぎてイライラしてしまうことかもしれません。

私は知らなかったんですよね。戦争をしている国の内情がどういったものか。正確には私の想像力が足りなかったと言った方がいいのかもしれません。

たまたま私はベルリンで、wi-fiも機能しないまま電車の乗り換えをしていたんです。ドイツはベルリンといえども英語の表記があまりないところがありあます。なので、とりあえず来た電車に乗ればいいかと思い乗ったんです。

妙に人が少ないな、とは思ってはいたんですがどうやら目的地が車庫の電車に乗ってしまったようでした。

その時たまたま目の前の席に座っていたのがシリアから来た大学院生だったんです。私はドイツ語がまるで分からなかったので彼に頼んで何があったのか車窓さんに聞いてきてほしいとお願いしました。

快くそれを引き受けた彼は、聞いてきてくれました。そしてどうやら電車は1時間は動かないであろうことを車窓さんに言われたとのことでした。

まあ、お願いしておいてはい、ありがとうとだけいうのもなんだったんで1時間待つ間彼と色々話をすることにしたんですね。

そしたら、彼は日本人に会うのは初めてだとのことで興味深そうに色々質問をしてくれました。彼の大学院での専攻がプログラミングだったようで日本の技術は本当にすごい、憧れる!と色々教えてくれました。

なので、私も彼に軽い気持ちで「どうしてドイツで勉強してるの?」と聞いてしまったんです。すると彼は悲しそうに答えてくれました。

「可能なら僕だって祖国で勉強がしたかった。ただ、国は戦争をしている。勉強よりも命を守ることの方が大事になってしまう。そんな環境では勉強ができないと思い、祖国から逃げてきたんだ」

この時の私は結構な衝撃的な言葉を聞いた感覚でしたね。命を守るために、ではなく勉強をするために国から逃げるという表現を使うのか、と。

そんなことを思ったことも、使う機会もないと思っていたのでその衝撃は相当でした。私の中で。

親から逃げる。ならなんとなく分かるんです。仕事が嫌で、とか。

ただ、国から逃げる。とは。色々複雑だなと思いましたね。

しかも、ドイツは他の国に比べると比較的移民をたくさん受け入れてくれる国だそうで、移民が増えているそうです。なので、トルコの人はもちろん、イランやシリアなど祖国を離れて生きなければならない国の人がたくさんいるのだということを彼から教えてもらいました。

「日本はいい。いい技術を持っているし安全で、何の心配もなく学ぶことができる国だろう。君を見ていて思う。日本は豊かでいい国なのだと」

と言われ、恥ずかしくなってしまったこの時の私の気持ちを察していただけますか。彼はきっと嫌味なく、ストレートに言ってくれたんだと思います。

しかし私には、彼から見た私はなんと”甘えた世間知らずな日本人”と写ったことだろうなと心臓が痛くなりました。

その後彼とはインスタグラムを交換して、いまだに繋がっています。インスタグラムを交換した際に言われた彼の言葉も忘れることが出来ませんでした。

「インスタを通して、君の眼に映るドイツという国を見ることができるね。きっと僕とは違う素敵な視点でこの国を楽しんでくれることを期待しているよ」

生まれも国も根本が違うとはこういうことなのだと、体感したいい出会いでした。

本当の学びとは

留学をしたいと思う人のほとんどは海外の友達が欲しい!であったり、英語が話したい!というものがあると思うのです。

けれど、”海外で学ぶ”ということはきっと言語だけでなくその先の自分とは全く異なるバックグラウンドをいかに知り、考え、悩み、自分の糧としていくかの作業だと思います。

私もこんな感想をのんびり書いていますが、完全に自己満足です。アウトプットするすべのなかった私の中の外国を書き留めておきたかったにすぎません。

しかしこれがもし誰かの中で旅や留学のヒントになれれば幸いと思います。


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