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Queer Eye からみる日本という国

Netflixのオリジナルシリーズとして放送されているQueer Eyeという番組をご存知ですか?

これはゲイ5人組が自信をなくしてしまった人や傷を抱えてしまった人のマインドや生活を変えていくというアメリカの番組です。

今までにシリーズ5が放送されていて、オーストラリア編と日本編というスペシャル版も放送されていました。

今日私がお話ししたいのはこのQueer Eyeの日本編で感じたいろんな意味での日本らしさについてです。

日本編のQueer Eye

この日本編では4人の悩める男女がQueer Eyeによって変身します。

”女を捨てた”としてホスピスで働くヨウコさん。ゲイの自分には日本には居場所がないと感じているカンさん、言葉によって傷つけられ慣れてしまったカエさん、そして自分に自信が持てないせいで妻とちゃんと関係を築けていないマコトさん。

皆それぞれ、日本人にとっては結構馴染みのある悩みを抱えていて、痛いほどに気持ちがわかる痛みを持っています。日本人には”謙遜”といういいのか悪いのかよく分からない美学が根付いています。それが今回の悩める4人の傷の根本になっているように思いました。

自分を卑下することと謙遜は紙一重です。一歩間違って自分に擦り込まれ始めると、どうしようもなく深く、しかし自分では見えない傷を心に作ってしまいます。

それをファッション・ヘアメイク・インテリア・文化・料理、それぞれの面のプロ達がメンタルに働きかけて変えていくんです。

ファブ5のメンバー

ファブ5のメンバーはとにかく個性的で常にポジティブなパワーを持って依頼人達に接しています。

タン

まずファッション担当のタン。彼はイギリス出身であり、両親はパキスタンからの移民です。

とりあえず、かっこいい。そして、彼の発する言葉の端々から優しさとしなやかさを感じて常に人の心を癒しているように感じます。

そしてこのシリーズで彼の素敵なところは、日本の着物をなんの違和感もなくファッションとして着こなしているところです。たまに法被?というよなのを羽織っていましたが、それですら魅力的に見えるほど。

センスの塊のような人ですね。

ジョナサン

彼は美容担当。ヘアやヒゲなどのスキンケアを主に教えてくれたりします。

彼はとにかくハッピー!!テンションも高いし、ずっと喋っているし見ているだけで幸せになる。少し女の子らしいかと思えば男らしさを垣間見せたりととても魅力豊富な人です。

ボビー

ボビーはインテリア担当。というか、もはや匠。どこまで事前準備をしていたのか分からないが、数日で部屋を劇的に変える魔術師。

もはやセンスの塊でしかない。ここまで日本の賃貸アパートを変貌させられる彼の実力派本当に脱帽ものです。

アントニ

キング オブ キュートことアントニ。とにかくイケメンというよりも可愛い一直線。 彼は料理とワイン担当で、穏やかに依頼人達にカクテルの作り方やご飯の作り方を教えます。

個人的に彼は一番泣き虫さんな気がしています。いつも依頼人の心に寄り添いすぎてジョナサンと一緒にいつも泣いてますね。

カラモ

最後に文化担当のカラモ。彼はもはやお兄さん的存在感です。そもそも文化担当とはなんぞや?という感じでしょうが、要はカウンセラー的な役割を果たしています。こういう部分がとてもアメリカ的。

もうこの笑顔なんて完全にお兄ちゃん。いつも依頼人の涙をすくい取ってハグをするんです。君は一人じゃないよ、と。

何がいいのか

とにかく彼らは褒めまくる!褒められ慣れていない日本人にこれほど効く薬はありません。そして最大限の敬意を持って、相手をハグするんです。これは本当に見ているこっちまで涙が止まらなくなります。

日本人って、日本以外に本当に興味がない。裏を返せば、日本らしさであることにとてもこだわってしまう人たちだと思うんです無意識に。もちろんそれを、国民性というのか、愛国心というのか分かりません。

しかし、その日本らしさから少し離れた人を糾弾するところはとても良くない文化だと私は感じます。違いがあるということに不寛容すぎるなと。

比較的東京という街は、一番不寛容が少ない気はします日本の中で。しかし、それでもヨーロッパから帰ってきて感じる居心地の悪さを思うとまだまだ不寛容です。

海外の反応

ただ、これは私が日本人であるからこそ日本人の悩みや痛みが文化的に理解できたという話です。ファブ5の5人もインタビューで言ってましたが、違いすぎて分からないことがたくさんあった、と。

確かに、番組内でも東京ガイドとして水原希子さんが参加されていましたが、ファッション担当のタンが、ヨウコさんの悩みに対して「彼女の悩んでいる話の内容が分からないから教えてくれる?」と助けを求めるシーンもありました。

日本人だからこそ気にするポイントがたくさん詰まっていたような気がします。

そして、海外の反応も様々で「なんだかとても嘘っぽい」や「ファブ5は日本に行くべきではなかった、大失敗だ」とネガティブな反応も結構ありました。

それはひとえに日本の文化があまりにも海外で認識されていないからこそのズレであるように感じます。「そんなことありえないだろー!」の視点で日本人の悩みが海外の人にうつっているていうことです。

日本に行ったことがある人、あるいは日本という国に多少の理解のある人は比較的「今回も感動した!」と言っていたので。

最後に

これはファブ5のメンバーがインタビューで答えていたことですが、「日本人はもっと自分を愛するべき」というものです。まさにそう思います。


日本の中にある、自分に自信のある奴はイタイ、というような認識が少しでも和らぐことを願います。

ぜひ気になった方は観てほしいです。

今日もありがとうございました。

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