障害年金を受けると老後の年金は減るのか?問題を超分かりやすく解説してみた
今回は仕事をしている中で、ご相談者の方から頂く質問から。
『障害年金を申請したいけど、老後の年金が減ったら怖い』に回答します!
結論としては、
障害基礎年金を一生受け取れれば、
障害基礎年金を受け取っても老後になって年金が減ること一切ありません。
問題は、障害基礎年金を受け取ったのちに、更新のタイミングで支給停止になった場合です。
例えば精神疾患が回復して(もしくなそのように判断されて)、年金を更新できなかった時など。
発達障害の方だと、障害年金が停止される方もいらっしゃるので切実な問題です。
障害年金が支給停止になった場合は、「何もしなければ」老後の年金は減ります。
言い換えると、
老後受け取れる年金が引き続き障害基礎年金なら老後も年金が減ることはありませんが、障害年金が打ち切りになり、老後の年金が老齢基礎年金になると減る可能性があります。
(老齢基礎年金→多くの方がイメージする年金です。)
老齢基礎年金の仕組みをざっくり解説
老齢基礎年金の仕組みについてざっくり解説します。
老齢基礎年金は20歳から60歳までのあいだの「40年間=480ヶ月のうち、何ヶ月分年金を払ったか」によって、受け取れる金額が変わります。
老齢基礎年金の満額×払った月数/480ヶ月=老齢基礎年金の受給額
払った月数が480ヶ月なら、「老齢基礎年金満額×1(480/480)=満額」です。
480ヶ月中、何ヶ月払ったかで老齢基礎年金が変わります。
仮に240ヶ月しか払ってなければ、老齢基礎年金は満額の半分しかもらえません。
なぜ障害年金を受け取った後に支給停止になると、老齢基礎年金が減る可能性があるのか
障害基礎年金をもらっている間は国民年金は払っていることになっているのか、ということが非常に重要です。
障害基礎年金をもらっている間は、「法定免除」と言って、国民年金は払わなくても良くなります。
じゃあ年金を払ったことになっているのか?というと、そういう訳ではないところが注意点です。
法定免除を受けた月数×1/2は、年金を納めていることになります。
残りの1/2は未納の扱いになってしまいます。
仮に、これから20歳から60歳まで障害基礎年金を受け取って、その間、年金の法定免除(年金を払わないでいい)を受ける方がいたとします。
その方が、60歳で急に障害基礎年金を打ち切られてしまうと、240か月分しか年金を収めていることになりません。
老齢基礎年金の受給額=老齢基礎年金満額×240/480
となり、その方は満額の半分しか老齢基礎年金を受け取れれません。
障害基礎年金の期間が長く、多くの期間法定免除を受けた方が、障害基礎年金を打ち切られると、老齢基礎年金(老後の年金)が減る可能性は十分にあります。
障害年金が打ち切られても、将来の老齢基礎年金を減らさない2つの対策
障害年金が打ち切られても、老齢基礎年金を減らさないための対策は2つあります。
1つは、法定免除を受けずに年金を納付する方法です。
2014年から、法定免除を受けない選択をすることが出来るようになりました。
法定免除を受けないのでお金は手元から出ていきます。
しかし将来、障害基礎年金が打ち切りになり、老齢基礎年金になった時に年金を減らさないための準備をすることが可能です。
もう1つの方法は、追納です。
法定免除を受けた期間であっても10年分は遡って国民年金を追納することが出来ます。
障害年金が打ち切られたり、打ち切られる可能性がある方は、このような方法で老後に受け取れる老齢基礎年金を減らさない手段を取ることも可能です。
また障害年金が打ち切られた場合に、最低どのぐらい稼げるようにしておくか、出費をどれぐらいに抑えておくかなどのシミュレーションを行い、将来の目途を立てておくことも有効な手段の1つです。
使える制度を活用した上で、対策してくことが非常に大切です!
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