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実家問題・相続放棄してもかかるお金

前回の記事の続編。

相続した実家を賃貸に出すときの注意点、売却する時の注意点についてまとめました。

今回は、もし売却がスムーズに出来なかった場合に注意すること、そもそも相続放棄をする際に気を付けることをまとめていきます。

前回の記事からご覧ください。

1、売却を決めたのに、実家が売れない時

家族との話し合いの結果、実家を売却することは決まりました。

いざ売ろう!となったはいいものの、思ったよりも買い手がつかない。

その時のリスク、気にしなければいけないことは何でしょうか。

①固定資産税
物件を保有しているので、固定資産税はかかり続けます。
売れない実家は空き家になっています。もし空き家が「特定空き家」に認定されてしまうと、固定資産税が6倍かかります。(更地と同様)

特定空き家とは

特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等

倒壊の恐れや衛生上の問題がある物件が「特定空き家」に指定されており、まだ認定数は少ないですが、毎年増え続けています。

②治安のリスク
空き家は放火のリスクが高まったり、治安の悪い人のたまり場になる可能性があり、それらは持ち主の責任になります。
適切な管理が必要ですが、今住んでいるところと実家が遠いなどの理由で、管理費が別にかかってくる可能性があります。
空き家の管理費は月に数千円から1万円程度です。売却完了するまで、この費用が掛かり続けることになります。

2、売却のためのアイデア

①更地にする
老朽化した実家を管理していく費用と、
更地にする費用+6倍になる固定資産税のどちらが金銭的に良さそうか判断していく必要があります。

②HPを利用する
「空き家バンク」や「いえいちば」といったHPを利用するのも手です。

③行政を活用する
空き家解体の助成金があります。
「空き家 解体 〇〇市」といったように検索すると、助成金があるケースが多いです。
また、不動産によっては自治体に寄付することが出来る場合もあります。だた数としては多くないのであまり期待はしない方が良いかもしれません。


上記のようなことを検討した結果、もしまだ生前に売るのが難しい判断になった場合は、相続発生後に相続放棄を選択することになります。

2、相続放棄の基本

①相続放棄すると、他の財産を相続する権利も失う
相続放棄をすると、他の財産を相続する権利も失います。
仮に、相続財産として現金が1,000万円あったとしても、相続放棄をすると一円も受け取れません。

相続する資産と、実家を相続した場合にかかり続ける費用を比べて相続するか放棄するかを検討する必要があります。

②相続を知った日から3か月以内に手続きをすること

③次の相続人に連絡をすること
相続放棄が続く範囲は、兄弟姉妹までですが、自分が放棄した場合は、次に相続権がある方に必ず連絡をしましょう。
いつの間にか相続権が移っていたとトラブルになり兼ねません。

3、相続放棄後にかかるお金

仮に実家を相続放棄しても、他に管理者が見つかるまでは管理義務が発生します。

民法第490条

相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

固定資産税は払わなくて良くなりますが、不動産の管理義務はなくなりません。

管理義務から逃れるために
管理義務から逃れるためには、別で管理してくれる人(相続財産管理人)を立てなければなりません。
相続財産管理人は家庭裁判所が選任します。

もちろん、タダで土地を管理してくれることはありません。

相続財産管理人への報酬として、家庭裁判所に予納金(管理人への報酬)を数十万円から百万円近く払うことになります。

放棄する際には、誰がどのお金から予納金を払うかもある程度話し合っておく必要があります。例えば「保険金から長男が払う」などです。

まとめ

①実家をどうするか、必ず生前に話し合っておくこと。
僕の実家はリースバックになっていましたが、下の兄妹が買い取ったので相続では問題にならなさそうなことになっています。

②売却、放棄は、心情面のケアも必要。
被相続人が生きているうちに家族間での同意が必要だと思います。

③実家の価値は、相続前に知っておく
売却ができそうなのかどうなのか、事前に調査をして方針を決めておくことが大切です。

もし、誰も実家に戻る予定がなく、実家を将来どうするかの問題についてご家族とお話をされていない方は、ぜひご実家に帰る際に話し合ってみてください。

どのように話していくか、どんな選択肢があるか、不安な方がいらっしゃいましたらご相談に乗れますので、お気軽にご相談ください!


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