折原圭

短編小説が置いてあります。
  • 昭和30年頃の北海道。鍛冶屋を中心とする連作短編小説です。 トンチンカン。ズレと鉄がテーマです。長さは5000字前後

もんどりうって世界が(9995文字)

1/7 恋心とか異性への興味とか、そういう出口が必ずあるものだ、と思っている人が多すぎた。 あの子が休み時間に席を立つのも誰かと話をするのも何か理由があるはずで、そ…

距離とゴミのあるべき(10069文字)

1/9 mから始まる覚えられんほど長い名前がついた小さな惑星のテラフォーミングが万全になりつつある今、人間の格差は物理的な距離に表れるようになった。 際立って金持ち…

冒頭文(10010文字)

1/9 妹は私によく似ているから、いつか小説を書くことに興味を持つだろうと思っていました。もしかしたら妹は私と同じように家族にひた隠しにしてずっと小説を書き続けてい…

ヤンソン(10031文字)

1/10 やっちゃんは幼い頃からずっとやっちゃんなのだが時たまふざけてやっさんと呼ばれることがあった。そこへ普段からムーミンのキャラクター、とりわけスナフキンをSNSな…

埃まみれのオレンジ(10029字)

1/12 28になってまだ男性経験がない私も身の危険を感じたことがある。 15歳になったばかりの真夏の夕暮れに危険なあそこを抜け出して、ボロボロに錆びた鉄の階段を駆け下…

冗談がへたくそ(9999字)

1/12 駅の扉にさわるのが嫌だった。 田舎の古い駅だ。分厚い本のような取手の赤色は赤というより小豆色で、赤になりたがっているのは分かるがなりたがっているだけ、という…