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読書日記:そして、バトンは渡された 変化の中にあるゆるがないもの

 図書館に勤めている時、同僚から勧められた本が「そして、バトンは渡された」だった。
 この本は勧められただけでなく、予約もたくさん入る本だ。
 きっと面白いに違いないと思った。
 人気の本は借りれるまでに何か月かかるかわからない。
 購入しようかと悩んだが、地元の図書館で見かけたので借りることにした。

 主人公の優子は、何度か苗字が変わっていた。
 親との死別や離婚があったからだ。
 優子という名前は、どの苗字でもしっくりくると書かれているのを見て、私はその通りだなと思った。いい名前だ。
 この本は読み終わった後、最初のページを読み返したくなる本だった。

 その理由は、物語の最初と最後が、優子の義父の森宮さん視点で書かれているからだ。
 血の繋がりはなくても優子と森宮さんはちゃんとした親子だった。
 森宮さん以外の親も、優子のことを大切に思っていたし、家族というものを考えさせられる話だった。

 この場合、苗字がバトンと思っていいかもしれない。親が変わるたびに苗字が変わり、最後は結婚で苗字が変わった。

 同僚は最後の章では泣いてしまったと言っていたが、私は泣かなかった。
 泣ける本だと構えていたからかもしれない。
 親が何回も変わっていると聞くと、決していい印象は受けないが、優子の場合は羨ましいとさえ思った。
 こんなに自分のことを思ってくれる親がいるなんて羨ましいな。
 私も親孝行しなきゃな、そんな気持ちになるのだ。

 一番身近な人を大切にしたいと思える素敵な本でした。


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