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今まで書いていた内容を捨てて、さあ、別のことを書こう。

犬と元妻とのことを書いていたのだが、人に読んでもらう話ではないように思えてきたので、急遽やめにして別のことを書こう。

子供の頃から、太宰治や坂口安吾や檀一雄などの、私生活を赤裸々に描いてしまう無頼派の小説を「ああおもしろい」とばかりに読んできたくせに、自分のこととなるとからっきし意気地がない。


そういえば6月の何日かは桜桃忌ではなかったか。

遠く昭和に、桜桃忌の日に三鷹を訪ねたことがあった。

しかし生来の方向音痴が災いしてだったか、目的地に辿り着けなかったという記憶がある。


まだ10代だった当時、好きな作家の愛した場所やらその法要やらに向かうことで知らない場所を開拓して行ったが、もっとも多くの場合、佳作座の映画館を巡ることで、未踏の地を踏破していった。


「ぴあ」はまだ月刊誌で、一ヵ月の間、暗記するほど読みふけった。

そして知らない町へも、「ぴあ」に書かれた小さい地図だけを頼りに向かって行ったのだと思う。


令和において私小説的に意気地なしな私だが、昭和の頃にはビルドゥングスロマン~少年成長小説的に、頼もしい少年だったのだ。

これを書いて、桜桃忌を再び訪ねてみたいと思った。




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