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騒ぐも騒がず

Momo｜桃花舞台

先日ちょっと遅い時間に帰宅となったときのこと。
駅でヒヤリとした。
エスカレーターを降りて道を歩き出していたら、
後方でわぁと騒ぐ声。
振り返ると、
エスカレーターを降りる寸前で
女の子がひとりうずくまっていて、
それを眺めながら人がおりてゆく。
で、ちょっと遠目にも「あ」って思った。
いわゆる、エスカレーターの巻き込まれ。
あれ、ホント、大事故になりかねない。
駅員さん呼ばなきゃ、でエスカレーター横の階段を駆け上がりかけたら、
私より先に駆け上がった集団が居た。
派手なブランドコートに巻髪や盛髪の女の子たち3人。
彼女らは「ぎゃー」「やばい」「駅員さーん」って改札の方へ走って戻っていった。
で、無事、駅員さんがエスカレーターの停止ボタン?を止めてくれ、
大事故にはならなかった。
彼女らは止まったのを見て「わー」「よかったー」とまたわいわいと帰っていった。
デッカいプラダとかの紙袋を下げて、いや、振り回しながら。
巻き込まれた女の子に特に声をかけることもなく。
 
皆がばたばたな年末、きもちの余裕もなくなりがちだったりもするこの時期、
こんな風なやさしさ、やさしさじゃないな、
文字通り、助けたこと。
いや、それもちゃうな、「当然」のことやねんよな。
 
結果、事故にはならず。
最終的には巻き込まれた彼女は駅員さんにハサミを借りて切る、
という結果になったのだけれど。
人が少なくなってから（ハサミとか前に）ちょっと声をかけたが、
（いろんな人に声をかけられたりあまり騒がれるのも嫌かな、と思い）
「いや、もう全然、切っちゃいます」ってサバサバ言ってて、
気の毒だなあ（涙）と思いつつも、
でも何より、ケガとか大事故にならなくてよかった。本当によかった。と、思った。
 
それは、あの子たちのおかげ。
 
さらっと、ぎゃーわーって言いながらも、自然と。騒ぐも騒がず。アピらず。
彼女らは例えば呑み会の席とかでも「わざと」料理を取り分けたりもしないのかも?
いや、する? え? そこは別? 別は別でそれはそれでふふふ? 何の例えや（笑）
 
なんて。また勝手なことを思ったり言うたりしていますが。
 
帰りながら同時にさ、「ごめん」とも、とても思った。
偏見やんな、「派手な子らが」って。失礼やよな。ごめん。そして、ありがとう、いろんなこと。
 
年末、ばたばたやからこそ、皆、どうぞ、いろいろ、お気をつけて下さい。
無理なく、怪我なく、心身共に、お疲れなく、しんどなりすぎることなく、無理なくー、ですよ、ふふふ。
 
寒さも、なんか増えてきてる面倒なやつにも気を付けてどうぞ御自愛下さい。
年末前の、この寒さの中のばたばたも、なんか、これはこれで、なんか、いいよね。
ふわりにもしゃきり、しゃきりにもふわり。


＊
その時●●少しも騒がず、って、
なんだか語り（謡い）たくなりますね（笑）

その時義経少しも騒がず〜（船弁慶）
私的には、これをパロった、その時南北少しも騒がず〜、が懐かしい笑（新感線の『阿修羅城の瞳』）

◆
以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。

大阪の物書き、中村桃子と申します。　
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能（旅芝居（大衆演劇）やストリップ）や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画２本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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