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食べてしあわせになる社会を目指して

はじめまして。
管理栄養士で医学博士、ついでに保育士でもある広瀬と申します。
元糖尿病療養指導士、元大学准教授です。現在はフリーランスを経てひとり社長として、ミックスナッツの商品開発監修、栄養相談サービスの構築&実務科学的根拠に基づいた記事の監修・執筆などをしいます。
プライベートでは、転勤族(10年で4回引っ越しました)の妻で、二児の母です。


このnoteで伝えたいこと

このnoteでは、私がこれまでの経験で培ってきた、食事のコツ(やせたい人や食生活を変えたい人向け)・栄養相談のコツ(管理栄養士・企業さま向け)についてお伝えしたいなと思っています。

私のお話しは、「〇〇を食べればやせられる」「〇〇するだけ、あとは何を食べてもOK」というような極端な話ではありません。私がいつも栄養相談でお話ししている食生活・栄養摂取の大枠は、糖尿病治療ガイドや肥満症診療ガイドラインなど、学会ガイドラインに準じています。

学会のガイドラインは、その道の専門家が、頭の良い人たちが研究指針に則って行った研究の中でも、特に質の良い研究を集めて作っているものだからです。

ガイドラインは、「私はこうしたらやせました!」というような、自分の周りの体験談ではないところがポイントです。
だからこそ、一般論の色が強くインパクトが薄いので、それを自分に当てはめるお手伝いとして管理栄養士等が手助けできるのだと思っています。

私は、「理想とされている食生活」に人を当てはめるのではなく、「その人の食生活の整理整頓を手伝って、すこやかに(QoLを維持しながら)体調も整える、ことを目指しています。
だから、「食べてしあわせになる」です。
もっと具体的な栄養相談のモットーは、「その人が大切にしたい(食べて「幸せだ」と感じられる)食生活を守りながら、「変えてもいい」「むしろ変えたい」と思っているポイントを見つけて修正のお手伝いをする」です。

肥満や糖尿病の方と話していると、多くの方は「食べた後に罪悪感がある」と仰います。
せっかくおいしいもの、好きなものを食べるなら「食べてよかった、しあわせだ〜!」と思って欲しい。そのために『何ができるか』を一緒に考える栄養相談を大切にしています。

「食べてしあわせになる」を意識したきっかけ

栄養士には「野菜を食べろ」「自炊しろ」としか言われない」というイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、保健指導でそう言われたとおっしゃる方のお話しも聞きますし、10年以上前(もっと前かも)はそういう指導が多かったのも事実だと思います。
今は、管理栄養士になるために「カウンセリング論」などもきちんと学び、患者さまに寄り添った指導を教わるので、あまり一方的な物言いをする管理栄養士はいない(はず)です。
このnoteでは、せっかくなので栄養士に対するイメージも向上させたいです(笑)。

ちなみに「栄養士」と「管理栄養士」は少し違います。栄養士は都道府県の資格ですが、管理栄養士は厚生労働省認可の国家資格です。
ざっくりいうと、管理栄養士は「病気や特別な栄養管理を必要とする方」に栄養指導や栄養管理が行え、栄養士は「健康な方」に栄養相談や栄養管理が行えます。管理栄養士は全員栄養士免許も持っています。

ただ、どの程度患者さんに寄り添えるかは、管理栄養士で若干変わってくるとも思っています。

以前、初めてお話しした肥満の方が、「これまでも栄養相談を受けたことがあるけれど、言われたことはもう全部わかっていることで、「知っていてもできないから太っているんだよ!」って思った」と教えてくれたことがあります。
私はこれに強い衝撃を受けるとともに、これまで私がモヤモヤしていたことをズバッと言語化してくれたと感じ、目の前の霧が晴れる思いでした。いかに「これならできそう」と患者さんに思ってもらえる栄養相談が大切である、ということを再認識した瞬間でした。

「食べてしあわせになる」を感じられる手助け

知っていてもできないから太っている
これはまさにその通りで、たとえば「おやつを食べなければやせる」という理屈。
誰もがわかっているけれど、できないから困っているわけですよね。
それを管理栄養士が「おやつがちょっと多いですね、減らせますか?」という指導では意味がないどころかマイナス。目の前の患者さんは、それができなくて困っているのだから。

ここで「なんのおやつが好きですか?」「食生活の中で、おやつを食べることの優先度はどのくらい?」「いま、おやつを食べた後にしあわせだと思えていますか?」など、まずは患者さんのおやつにかける思いをじっくりと聞くようにしています。いきなり「減らしましょう」だなんて、言いません。
人によっては、「おやつを減らす前に、まずはちゃんと朝ごはんを食べる」という目標設定にすることもしばしばあります。
(しっかり食事をとることで空腹を感じにくくなるので、自然とおやつの量が減らせることも多い)

肥満を例にした場合、その原因がひとつ、ということはまずありません。
いくつかの課題がある中で、本人が「大切にしたいこと」をまず尊重することで、目標に向けた行動変容をおこしやすくなると実感しています。

「基本的に食べてはいけない食べ物はない。でも、好きなもの・好きな食生活を一生楽しめるように、程よい付き合い方を一緒に見つけましょう」と伝えるようにしています。

管理栄養士としての私

好きな食べ物はトロです

私は子どもの頃からチョコレートが大好きで、お菓子会社に就職することを夢見て管理栄養士になりました。が、あれよあれよと人生流されているうちに、研究者となり、臨床経験も経て、今に至りました。結果オーライです。

個人的には管理栄養士は「食べるのが好き」「作るのが好き」「病気に関心が高い・健康志向」の3種類がいると思っていて、私は完全に「食べるのが好き」派です。育児中なこともあり自炊はしていますが、ほぼホットクックにお願いしています(笑)。

だから、食べるのが大好きな患者さんのお話を聞くのが、大好きです。
みなさんグルメで、よく情報を知っている!美味しい食べ物やお店を教えてもらい、栄養相談後すぐに買いに行くこともよくあります。
そんなわけで、患者さんが「〇〇食べた」という報告にも「おいしいですよねー!食べちゃうのわかりますよ!」と心から共感できるのが、自分の栄養士としての長所だと思っています。

最近嬉しかったことは、患者さんから「広瀬さんのおかげで食生活が豊かになり、嬉しい」という言葉をいただいたこと。
これだけおいしいものが溢れた現代では、食べないのではなく、どう食べればずっと楽しめるか、を考えていきたいです。

どうぞよろしくお願いします。

ちなみに、お菓子の開発という夢は、ミックスナッツで叶いました。


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