〈ネタバレあり〉最近観た映画の感想(9/16分)
【こんな夜更けにバナナかよ】
大泉洋出演作品が好き、というわけではないのですが、
以前から観てみたいなぁと思っていたのでようやく観てみました。
亡くなってしまった三浦春馬くんをはじめ、
皆、そのまんまその人たちが存在しているような
自然な演技で素晴らしかった。
職業的に経験のある場面が多々あり、
気切の方の吸引はほんとに見ていて辛かった。
大泉洋演じるシカノさんが放った、
「筋ジス舐めんなよ!!」っていう台詞が絶妙で。
あんまりそういうこと言える人、いないよ。
たぶん、シカノさんは、そのまんま元気だったらなんでもできちゃう人。
でも、自分でできないんだから、人に頼るしかない。
痒い所を掻くことも、欲しいものを買ってきてもらうことも、
全部全部人に頼らなくちゃいけなくなってしまった彼に、
最初の内、それをワガママだと受け取ったミサキちゃんが
「ワガママ放題やって、人に申し訳ないと思わないの!?」
ってキレたシーンが印象的だった。
ミサキちゃんの気持ちもわかる。でも、それは未熟なんだよなぁ。
ほんとにできないんだよ。
ほんとに動かないんだよ。
私からすると、
「なんでシカノさんのリアルな体の現実を想像できないの?」って思う。
ほんとにできない人を前にして、
「自分でやれよ」
「やってくださいって頭下げろよ」
っていう態度を求める段階では、まだわからない。
そういうところで判断してる、自分という人間の視野の狭さも、
人間としての懐の浅さも。
でも、そんなだったミサキちゃんも、いろんなことを知るにつれて
少しずつ「わかる側」の人になっていく。
「シカノボラ(シカノさんのボランティア)舐めないでください」
って看護師さんに言ってくれた時、
気切の人でもしゃべれるようになった例を見つけてきてくれた時、
シカノさんの指が届かないコップを、代わりに払い落としてくれた時、
「この子の感性は、こんなに奥まで届いてくれるんだ」って感動した。
生きることは他人に迷惑をかけること、
共に生きるとは、お互いに迷惑をかけ合うこと、
人の手を借りて生きる自分を受け入れてもらって、
自分のできることをなんとしてでもやっていく。
「お前も俺を頼れよ!」
ってシカノさんがタナカくんに言ったとき、
誰に対してもどこまでも対等なシカノさんの、人間力を感じた。
ふつう、自分のことでいっぱいな場合、
絶対こんなことは人に言えない。
自分のことをたくさんやってもらっている彼はまた、
自分も誰かのために何かしようと動ける人であることがすごい。
バナナは最初のあたりのシーンで一瞬出てくるだけだけど、
お互いにお互いの存在を確かめ合って生きてる、
ってことが象徴されてるシーンかもしれない。
お互いに大事にするっていうのは、
相手のことを大事にすること、
また相手から大事にされるってこと、
それから自分を大事にするっていうこと。
お互いのことを決して見捨てない繋がりのたくましさを
ひしひしと感じた作品でした。
【生理ちゃん】
なんか漫画がバズってるのを知っていたけど、読んでなくて、
二階堂ふみちゃんが好きなので観てみました。
面白かった!
“生理のある女子”っていうだけで、どこにでもついてくる、
いろんなサイズ感の生理ちゃん。
めっちゃかわいい。
生理の程度による?のか、まだ若い女子の生理ちゃんは小さめで、
初潮の生理ちゃんはリボン付き、っていうのも、すごいかわいい。
あのくるくるパンチは生理痛を表現してるのかな?
いろいろと可視化されて、かなり気が楽になった気がする!!
毎度毎度、重たそ~な特大生理ちゃんを担いでる主人公。
会社の同僚?の女の人の生理ちゃんは、
なぜかポーチに収まるほどの極小生理ちゃんだったのがすごい謎で、
なんでだろ?薬でコントロール下に置いてる、ってことなのかな?
生理中の気怠い感じをミストで表現してるのもよかった。
男子側の性欲くんと童貞くんは、とにかくコミカルで笑っちゃった。
男子は男子で辛いのね!
なんだろう、辛いけど、辛いもんがこうやってキャラクターになってると、
なんか可愛くなっちゃうっていう魔法。
生理ちゃんが「もう来ないで!!」って拒否られて、
「そういう体になっちゃうけど、いいの?」って
ほんとに来なくなっちゃったときの絶望。
あぁ、そっか、こういう辛さって、いつか来なくなるんだ、って気づくよね。
忘れてるけど、確かに厄介だけど、
生物的に期間限定という事実にハッとした。
生殖における機能の、それゆえの苦痛と幸福を、
どちらも諦めながら、感謝しながら、
自分の一部として抱きしめようと思えるような、
ハートウォーミングなストーリーで素晴らしかったです。
私も生理ちゃんの頭の谷間にハマりたい・・・(笑)
以上。
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