金木犀はいきなり咲いてすぐ散る癖に、花弁を足元に溜めて、いつまでもこちらに首をもたげ寄…

金木犀はいきなり咲いてすぐ散る癖に、花弁を足元に溜めて、いつまでもこちらに首をもたげ寄りかかってくる。

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開幕

自分は高校生活を送る中で、自らが喰らった度に短い日記的なものを書くことをしていた。 公園の太った鳩に喰らったり、埃っぽい屋上の踊り場に喰らったり、柔らかい唇に喰らったりした。 何を思ったのかあの時の自分は、日記を書くのでさえ必死に難しい単語を使い文章に重厚感を持たせようと苦心していた。今考えればもっと簡単な言葉でその時の心を保存できたのだろう。 けれどそれらを読み返してみると、背伸びした文章と共に鮮明な感情を取り戻せているのだからある意味良かったのかもしれない。 これま

    • 人生初めてのライブはカネコアヤノに捧げた❕

      カネコアヤノのライブが終わった!! 放心状態。 カネコアヤノ。 ただただ放心状態。 人生が変わってしまった。 あの爆音は俺の人生を変えてしまった。 まさに、ミューズで!ファムファタルで!マリアでヴィーナスだ!永遠に! カネコアヤノが全身の細胞核に刻まれてしまった。核だけじゃない。ミトコンドリアの独自DNAまでも全て上書きされてしまった。 まるでそれはパーティクルガン法のように、"カネコアヤノ"が乗っかった音の粒によって俺は形質転換した。 カネコが登場してギターを掻き

      • 心を許すと出てしまう口癖

        自分には、心を許した相手にだけ異常に言ってしまう口癖がある。もはや言いすぎて、自分で自分の口癖を認識して、なんならネタとして言っているまである。ワラ それは『おそろいだね。』だ。 私はなにかにつけておそろいだね。と言ってしまう病を患っている。 例えば、夜中に電話していて相手が「もう眠い〜」と言ったときに自分も眠かった時。 おそろいだね。 例えば、漠然と夕飯にラーメン食いたいな〜と思ってる時に、相手に何食べたいか聞いた答えがドンピシャラーメンだったとき。 おそろいだね

        • 美術館行ってきたよん

          ついこの間、原田マハさんの『常設展示室』を読んだ。 いわゆる短編集のような構成になっており、話に出てくるどの主人公も皆美術館に関係性を持つ人物であった。 各登場人物が話を跨いだ関係性を持っており、それぞれの話における主人公にフォーカスした背景描写が克明に描かれていて、全員に同じように感情移入してしまった。 毎回話の終盤は、間違いなくと言って良いほど感動してしまうものだから、電車の中で何度か泣きそうになった。 1冊の『常設展示室』を通して、この上なく美術館に行きたくなってし

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        開幕

          カネコアヤノとの日々

          文章を起こす理由を探していた。 自分は勝手に文章を書き始めるのにはエネルギーが必要だと思っていた。 けどそんなことないかも。 こうやってふと書き出してみると、案外楽で楽しかったりする。 自分は少し前からカネコアヤノにバカハマりしている。 燦々を買ったし、自室の壁にはどデカいポスターや小さなポスターを貼ったりしている。 最近のアコギの練習曲だって祝日と光の方へだ。 まだまだ始めたばかりで、Fコードの音は綺麗に鳴らないし、CからGにしゅっと指を変えられない。 けれどジャカジャ

          カネコアヤノとの日々

          愛に溺れて生きている

          昨晩、「勝手にふるえてろ」を観た。 またあの最寄りのGEOで借りてきたのだ。 苺味のハーゲンダッツを口の中で転がしながら、たくさん笑ったしたくさん泣いた。 心がふるえた。 報われない恋と、報われかけた歯車が動き出したように思えた恋がごったになり、葛藤と諦めが白昼夢のように美しかった。社会との距離のリアルさや、いとも簡単に嘘をつき現実の人間関係にヒビを入れてしまうところに共鳴した。 果たして相手に正直に、自分に正直になれていたのか、映画を観ながら激しく過去を反芻した。 今

          愛に溺れて生きている

          26時

          大抵次の日が3限からの日とか休日だった場合、深夜に家で映画を観ることにしている。 何故だか自分は恋愛映画が好きで恋愛系の邦画をずっと見漁っている。「溺れるナイフ」や「ちょっと思い出しただけ」が好きだ。陰影をはっきりと切り取ってる映画に弱い。 いつもは大体学校帰りにゲオにふらっと寄り、何を借りようか30分くらいだらだら悩んだり、お風呂に入る前にふと思い出してチャリを爆走させ借りに行くこともある。映画を借りると、何故か気が大きくなりコンビニでアイスも買ってしまうことも多々ある

          次日常

          いよいよ大学の授業が始まった。 新たなキャンパスで、教室で授業を受けることが新鮮で正直この1週間クソ楽しかった。PASMOに刻まれた新たな定期券の文字、とても誇らしく思える。 新しくなった自分の定期は川がすぐそばにある駅を通る。ついこの間、授業が早めに終わった日、その駅で降りて川沿いの土手を散歩してみた。カネコアヤノの「光の方へ」を聴きながら感じた生ぬるい暴風。これからの新生活と春を無理やりに伝えてくる暴風はとてつもなく心地よかった。 川では沢山のボラが跳ねていた。 ボラ

          次日常