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ブックレビュー 河合隼雄「こころの子育て」でふーっと気を抜く

こんにちは。今日も本のご紹介です。

子どもと喧嘩してしまった時、大人気なかったなと思った時、自分がそんな時に、一番に読み返すのが、この河合隼雄「こころの子育て」です。

Q&A形式という形ではあるのですが、そこには正解の無い子育ての多様な可能性が肯定されています。(値段やっすい!!)

「こうしたほうがいいよ」、「ああしたほうがいいよ」という本が多い中で、「まあ仕方ないんだな、親ってこうだよな」とか、「今日の私ダメだったけど、そんなのも自然な親子関係やな」みたいに肩の力が抜けるのが、とってもいつも助けられてます。


普通でいいなんて言われたら立つ瀬がない

好きな質問と回答の一つにこういうものがあります。

Q. イライラして叱ってばかりいます。どうしてでしょうか?
A. 親が不安になっているか、ちょっと期待が高すぎるからです。

この章の中で好きなのが、子どもへの期待に関するこういった部分です。

それはなぜかと言うと、子どものやっていることが、自分の期待より低いからなんですよ。親の期待の方が、いつもちょっと高い。自分の子どもに対しては、どうしても期待値の方が高くて、いつもそのスタンダードと比べてみている。期待値の方ばっかりに気持ちが行っていて、その子のありのままの姿を見ていないんです。(こころの子育て P59より)

子どもへの期待ばっかりみて、子どもの面白いそのままの姿を見られていない。うん、確かに。そのままでも随分面白いことを子どもはやっているよね。今日も、クワガタみつけて大興奮してたし、坂道でブレーキかけずに自転車でぶっ飛ばしてたしね(笑)

こう言うと、だいたいみんな「いえ、うちは普通でいいんです」なんて言いますけれど、まず普通以上のことを期待していることが多いです。ほんとに普通でいい、と思ってたら、それは大したもんです。(こころの子育て P59より)

うん、本当そうですわ(笑)

普通でいいって、口には出さないし、思ってもいないけど、やっぱり普通以上の期待はかけちゃってますもん(笑)。でも、親ってみんなそうなんですね。

だいたい「普通でいい」なんて思うのが、ほんとはけしからん話です。子どもがどう思っているかわからないのに、普通が幸福なんだから普通になれ、だんて。親の方が勝手にこどもの幸福について、おざなりのイメージやもろい幸福感を持っているだけです。(こころの子育て P59より)

「普通が一番」って小さい頃言われるのが本当に嫌だったなあと思い出しました。親ってそういったところが、本当勝手(笑)。あっ、私ですね。


思い通りにならないのが、生きているということ

他にも、こんなQ&Aがあります。

Q. 思い通りにならないのは、育て方が悪いからですか?
A. 生きているんだから思い通りになるはずがないです。
(こころの子育て p66より)

そりゃそうだ。と思うわけですが、そこからちょっと深いところに話がいくのが、この本のいいところ。

世の中に下手な子育てはあっても、どんな子にでもあてはまる「よい子育て」というのはありません。(中略)そういう意味で、たとえば氏神様に親子でお参りしたりするのは、案外意味があります。どういうことかと言ったら、神様にお参りするということは、「何もかも『私』がやって、何もかも『私』が上手にできます、なんてことはあり得ません」ということの表明なんです。(こころの子育て p67より)

自分も昔は、「神様なんて...迷信に頼るなあ親は...」なんて思っていましたが、大人になってみると、「祈ることは謙虚さを身に着けることでもある」と考えを改めるようになりました。

「何もかも『私』がやって、何もかも『私』が上手にできます、なんてことはあり得ません」

3回唱えてもらうと、少し気がやすまりそうです(笑)

世の中の、子育てしているたくさんのお父さん、お母さんに、ふーっと気を抜いてもらって、たまには親子で神頼みにいくのも良さそうです。


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