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当たり前の中にチャンスが眠る「先制マーケティング」

今日も僕の記事を読んでいただいて、ありがとうございます!

昨日は大阪で、社労士事務所さんでコア事業の設計をサポートしました。

土台となるコア事業を強固にする

コア事業とは、営む複数事業のうち、相対的に競争力のある中核事業のことを言います。経営資源を集中的に投じる事業 です。 収益の土台になるだけでなく、ブランディングにおいても土台となる事業です。

コア事業を強固なものにすれば、リソースの選択と集中の基準も明確になり、戦略策定などの精度も上がっていきます。

コア事業の設計は、事業推進において重要な取り組みです。


当たり前を強みに変える「先制マーケティング」

コア事業を設計する中で、その事業のウリの要素を明確にすることは重要な取り組みになります。そのウリの要素が、マーケティングに大きな影響を与えます。

ウリの要素とは、自社が持つ強みや、お客様に提供できる価値を意味します。ウリの要素と、時代のトレンドが合致すれば大きな成果を生み出します。

このウリの要素ですが、意外と見落としがちなものがあります。それは、「自分達がいる業界では当たり前に取り組まれていること」です。業界街の人から見たら、「そんなことをやっているんですか!すごいですね!」と驚かれることがあります。

自分の中に当たり前にあることも、お客様にとっては未知のものであり、気づかないこともがあります。

このようなものをキャッチコピーやお客様へのメッセージに反映し、お客様の興味関心を得るマーケティング手法を「先制マーケティング」と呼びます。

「先制マーケティング」は、マーケッターとして有名なジェイ・エイブラハムの「ハイパワーマーケティング」という著書に詳しく書いています。

<シュリッツ・ビールの事例>
1920年代初頭、10社ほどの醸造会社が精力的に競い合っていた。シュリッツの業績は今一つで、市場で第8位に甘んじていた。

どの醸造会社の広告も、基本的には同じメッセージ・・・ 「私たちのビールは純度が高いものです」 だった。

ところが、これがどういう意味なのかを説明する会社はなかった。ただ、「純度が高い」と言い続けていたのである。

シュリッツは売上を改善すべく、一人のマーケティングコンサルタントを雇った。そのコンサルタントは、醸造所を見学し、シュリッツではどうやってビールを作っているのか聞いた。そして、彼はその内容に実に感銘を受けた。

・最高のビールを作るのに最適なミネラルを含有した水を得るために深さ1,500mの井戸を2つも彫っていた。

・一番豊かな味と口当たりを生み出す醸造酵母菌の元菌を見つけ、それを開発するのに、5年以上かけて1,623回の実験をしていた。

・ビールの醸造に使う前の水の蒸留に、熱して再び冷却して液化する作業を3度も繰り返していた。

・ビン詰めでは、 高温の蒸気にあてて、ビールの味に影響を与えそうなバクテリアや微生物を殺菌していた。

・ビン詰めして送り出す前に、純粋で豊かな味を確認するため、一度の醸造ごとに必ずテイスティングをしていた。

コンサルタントは、その醸造過程に圧倒され、シュリッツの経営陣に提言した。

「消費者にビールを醸造する際の驚くべき工程を知らせるべきです」

それに対して、シュリッツの経営陣の答えはこうだった。

「なぜ、そんなことをする必要が?どこの醸造会社もうちと同じことをやっているのに」

先制のマーケティングの概念を理解していたこのマーケティングコンサルタントは、反論した。

「しかし、ビール業界で、消費者にそれを知らせた人は誰もいません。何かをやって、最初にその話をしたり、理由や成り行きを説明する者が、そのときから、他の者にその市場で差をつけ、優位に立つものです」

こうして、シュリッツは、自社のビールがどうやって作られているかを業界初で宣伝した。

消費者には、シュリッツが見せた醸造やビン詰めの工程が他社のものとは格段に違う、はるかに価値のあるものに見えた。その結果、どのビール会社よりもシュリッツが魅力的な存在に思えるようになった。

シュリッツは、こうして先制のマーケティングを始め、半年で、業界で売上8位から見事1位になった。

ハイパワー・マーケティング著 ジェイ・エイブラハム


昨日の社労士事務所さんでも、先制マーケティングに活かせる要素が出てきました。サービスを受け取るお客様は素人であることを思うと、素人目線で自社の事業を見ることの大切さを改めて感じます。


あなたの事業において、先制マーケティングに活用できるものはありますか?

素人目線で自分の事業を見てみましょう。

そこにチャンスが眠っているかもしれません。


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