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トカゲ少年記 弐

僕の一番の安らぎの場所は
当時住んでいた家から自転車で
20分くらいの場所にあった。

ここで言う「安らぎの場所」とは
神社のことだ。

保育園の頃、遠足でドングリ拾いなんかも
したことがあったので思入れ深く、
気づくとよく来ていた。

来て何をするかといえば、もちろん参拝だ。
大きな鳥居にお辞儀し階段お上がると、
奥に境内がある。
近くには大きな木も祀ってあった。
巨人の足かと思うほど大きく立派な巨木だ。
参拝を終えると裏に回り一周する。
運が良ければ猫と会えたりもするから、
来た時にはいつもこうして裏に回る。

ある程度見て回ると階段を降り、
下の大きな池へと向かう。
覗き込むと金や白や赤のコイたちが無数に泳いでおり、なんとも綺麗だった。
売店で餌を買い、池にパラパラと落とす。
水面では無数のコイたちがひしめき合いながら
口を開けパクパクしていた。
餌をやり始めると、近くにスズメやハトが
よってきて物欲しそうな顔でこちらを見てくる。
少しだけ地面に落とすと、ついばむ。

一度ハトが集まり過ぎたときに、
何羽かが腕や肩にも乗ってきたことがあった。
さながらホームアローンのハトおばさんだった。

気がつけば日が暮れて、神社が夕焼け色に
染まり始める。
僕は自転車に跨るとゆったりと自宅へと帰還した。

僕にとってこの一連の行動は日々の中で溜まった
いろいろを発散する、言わばガス抜きなのだ。

今は引っ越した影響で行けていなが、
連絡用に持ち歩いてる黒い折り畳み式携帯の
待ち受けには今でもあの神社の風景が表示されている。

今日はここまで✋!

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