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老人と宇宙(宇宙と書いてそらと読む)【読書紹介「爺さんや」婆さん「あたしがふたりいるんかい?」爺さん「いったい何が起こっているんだ?」】

ジョン・スコルジーというSF作家が、
ハインラインの「宇宙の戦士」をオマージュして、
書いたSF戦記小説。

戦記って言っても、
スターシップトゥルーパーズみたいなノリなんで、
(てか、それが「宇宙の戦士」なんだが)

まあエグイ感じは、あんまりない。
というかチープです。
異形の宇宙人と宇宙戦争するなんて、なんかずいぶんと古いノリですよ。
今どき~!?

それより話題になったのは前半部分。

そう志願兵たちは、老い先短い老人たちばかりなのです。
75歳を迎えた老人の男女に志願してもらい、
最初は動くのもきついみたいな、よぼよぼの爺さん婆さんが集まってきて、
老人ホーム状態になるんですけど、

そこで宇宙軍が、緑色の肌を持つ、新しく若い強化肉体を提供。
それに意識を載せ替えて、

若いころの肉体に戻ります。
当然、性欲その他の欲望も若いころに戻っちゃうねん。

つまり、
爺さん婆さん若返る、のノリなんですよ。

はっちゃけた爺さん婆さんたちは、当初はヤリタイホーダイしますが、
ほとぼりが冷めたタイミングで、ぼちぼち軍からの訓練が始まります。

ちなみにこのグリーンボディは一代雑種なので、
子どもを産む機能はありません。
毎年に種苗会社が売りつけてくるトウモロコシと同じです。
(ヤリタイホーダイが加速していく)

しかし主人公の爺さん(もう若いイケメンですが)
婆さんと一緒に志願したんですけど、
婆さんは従軍時期が来る前に死んでしまったんですね。
しかし若いころの婆さんそっくりの女性兵士を見つける。

「き、君はいったい誰なんだ? 待ってくれ?」

単なる他人の空似というレベルではなく、瓜二つなのです。

******

ハインラインの「宇宙の戦士」は、
書かれた当初は相当にリベラル層に批判されました。
「これは軍国主義の本じゃないか」と。
しかしハインラインは、
「民主主義を守るためには軍隊が必要だ。軍隊がなければ民主主義も機能しない」
と主張する、いわゆるリベラルホークの立ち位置の人です。
彼自身、第二次大戦では従軍しました。

そういいつつも同性愛の問題などでは、左派的発言もしているハインラインなので、要するに本来のリベラルというのは、この人くらいにハードなものらしいのです。
リベラルは、本来はハードボイルドなものだったんです。

なんですが、それをオマージュした本作「老人と宇宙」は、
スコルジーによると、そこまで強い主張を持たせたわけではなく、
エンタメとして楽しめるように書いた。
とのこと。
なので小難しいことを考えるのは止めましょう。

楽しみましょう。
爺さん婆さん若返った。

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