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ワーテルロー(1969年)【映画感想も昔の映画を観た。硝煙が立ち込めて、向こうまで見渡せない。いったい何が起こっているんだ?】

昔の映画です。
昔の大作映画は、大量の役者を集めて、数の力で撮る作品というのがありました。
ナポレオン時代を描いた戦記映画、ワーテルローとかね。

もっとすごいものになるとソ連映画とかになります。
もう国策映画なので、ソ連軍を撮影に動員してしまえ!ということで、おびただしい無名キャスト(こういうのをなんて言うんだっけ、エキストラだっけ)を無制限に使えます。

ワーテルローに話を戻します。
(この作品も監督がソ連の監督なんですよね)

ロッド・スタイガーという往年の名俳優がナポレオンを演じますが、
今だと。
レオナルド・ディカプリオがナポレオン役に向いてそうな気がするんですけど。似てるし。

というわけで、大量エキストラを使って戦争映画をまだ撮っている時代なんですね。今みたいにCG合成じゃないから、よく見たら(見えないけど)奥の方に似た人たちがいるとかないですよ。そんなところまで観ないですけど。

さて。わざわざこの映画を思い出したのは、
ナポレオニックなる概念について説明したかったからです。
ナポレオニックとは、1600年代後半から1900年代前半。
軍隊の武器がマスケット銃だった時代です。
現代の銃と違い、ライフリング(線条)がついていません。
弾も前こめなので、時間がかかります。
火縄銃ほど発射速度は遅くないですが、1分に早くても3発が限界。
有効射程距離は100メートルもない。
銃が発達して、槍や剣が戦場から無くなりつつも、
まだ手が届きそうになる距離まで行って、
撃ち合いをしなければいけなかった時代。

軍隊は色とりどりの制服を身につけて、
整列して敵の前まで、ほんの5メートルくらいのとこまで歩いていき、
そして一斉射撃。三段撃ち。
うまく決まれば相手の歩兵列はキレイになぎ倒されますが、
それほどでもなければ、ボーリングのピンみたいに、ところどころ倒れていくだけ。

日本はこの時代を経験していないのです。
大坂夏の陣はまだ槍兵が活躍していた時代ですし、
鳥羽伏見の戦いになると、ライフル銃が登場してしまう。
だから日本人には説明してもピンと来ないのですが。

日本だと、
アニメ版の銀河英雄伝説が、なぜかこれと同じ、
ナポレオニック風の戦い方をしています。
こっちは歩兵ではなくて宇宙戦艦ですけど。

整然と並んで、相手が倒れ尽くすまで撃ち合うスタイルですね。
隣の仲間が倒れても、ほとんどは倒れない。
まあ損耗が激しくなると、少ない方が撤退するか、部隊の交代が入ります。

原色鮮やかな制服や目立つ帽子をつけているのも、
黒色火薬の硝煙がすごくて、視界がとても悪くなるから。

映画の内容は史実と同じです。
史実で語られる場面を、どうやって名優が演じるか、という時代です。

ナポレオンが最終的に没落した戦い。
同盟軍最高の名将ウェリントン公爵VS戦争の天才皇帝ナポレオン。
ついに戦争の天才ナポレオンを正面から撃破した高いです。
勝敗は決せり。

ナポレオンは戦争の天才だったことだけが取り柄だったので、
戦争に勝てなくなったナポレオンには、もう威信もカリスマもありません。
これでナポレオン戦争も終わりです。

ウェリントン公爵は、かつてインド征服で名をあげた将軍で、
以前の記事でも少しだけ書いたことがあります。

いずれ他の映画を語る際の前座として、まずはこれを紹介しました。
では次回もよろしくです。

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