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ダーカーザンブラック(2007年)【私の対価はアニメ紹介することだ。能力を使うたびにアニメ紹介をしなくてはいけない「もし語れる作品がなくなったら?」その時は・・・創る!】

そろそろ忘れらたハズの名作アニメを、またぶっ生き返しに来ました。


ダーカーザンブラックは、
何かの悪魔的な事象によって、
夜空が宇宙ではなく、何かの天幕で、
星が落ちるたびに能力者が死ぬ。
そういう世界になってしまった。

(だいぶ翻訳しています)

という世界説明から始まる作品です。

要は能力者バトルものです。
作中では「契約者」

「契約者」は、
いずれも何かの代償行為を行うことで、
能力を獲得します。
獲得しますっつーか、
ある日に能力者として覚醒してしまうと、
そうならざるを得ません。

例えば主人公の黒(ヘイ:中国語)は、
仮面をつけるという代償行為を行います。

しかも「契約者」は感情の一切を喪失して、
以降は超合理思考でしか物事を考えられない、
機械のような人格になります。

本人の意思は関係なく、一方的にランダムで発生する、
言ってみれば病気のようなものです。

不幸にも(あるいは幸運にも)「契約者」になってしまったら、
元に戻ること能わず。

能力を使って生きていかざるを得ません。
幸いにして、感情を喪失して超合理思考になったがゆえに、
人間なら怖気を振るうようなことを平然とできます。
恐怖、激怒、悲哀、絶望、希望、いずれも彼らの心を左右しないのです。
ゆえに超プロフェッショナルとして仕事を請け負うようになるのですけど。

しかし、彼らの行動は・・・

***

世界説明はこれくらいにして。

本作はこのような特異な世界設定を舞台にして、
徹底した合理思考の能力者たちに、
それぞれの目的のために戦わせるといった内容の物語です。

超合理思考なので、
それぞれの目的は微妙に異なりますが、
人間らしいためらいや逡巡がなく、
冷酷ともいえるプロフェッショナリズムが全編で展開される、
スピーディで知的な展開が売りの作品です。

感情のない合理主義は情け容赦がありません。
目的のために絶対零度の冷たさで行動できます。
お互いにそれをやってくるので、
その勝負は知性に訴えてくるシビアな展開になります。

***

ただ、超合理思考で感情がないといいつつも、
登場人物たちは、
「ほんとは何か感じてるんじゃないの?」
といった印象を視聴者に与えてきます。

そこらへんは物語の巧みさ。

一見して感情のない登場人物たちを描きながらも、
彼ら彼女らの行動それ自体が、
実は彼らが決して感情を喪失した機械ではなく、
奥深い魂を持った人間であることが、
わかるような脚本になっているのです。

というわけなので、
感情のないはずの人物たちが、
その行動によってのみ豊かな感情をかいま見せる。

ここが、この作品のいちばん感動させて来るポイントでしょう。
名作です。
よくこういう脚本を考えついたものです。
想像を絶する。
10年以上前の作品ですが、評価は非常に高かったです。

第一期が26話。(未放映分1話を含む)
外伝とかいうのが4話。
第二期が12話。

どちらかというと、少しづつダウンスケールになっていくような作りは制作側の都合なので仕方がないのです。

またこちらのマンガ家さんによって外伝コミックが描かれています。
これまた外伝なので別の話。

以前、このマンガ家さんの本を紹介しました。
超合理主義ハードSF伏線すべて回収系のマンガ家さんです。
期待できます。

***

さて。
感情のないはずの登場人物たちが、
行動のみによってその感情をかいま見せると上で書きましたけど、

要するに、これって視聴者の印象です。
人間にはミラーニューロンがあり、
相手の行動から相手の内在論理を感じとる機能を持っています。

それゆえ、
本人がいくら「感情がないんだ」と力説しても、
行動律からその「思い」が漏れ出てくる。

いや私たちには「そうとしか思えない」のです。

この人間であるがゆえの機能を逆手に取った設定はエグイですよ。

例えばヒロインの銀(イン:中国語)ちゃんが、
感情がないので笑えないのですが、
自分の指で唇をゆがめて、笑っている形をとります。
その場面で、みんな泣くわけですよ。

感情を喪ってなんかないんじゃん!
ちゃんと感じてるじゃん!

感動ポルノと言われればそれまで。
でもすごい技術。
創作をやられている方は、
ぜひこの行動と感情の解離をいちど使われてみてはどうでしょうか?

にもかかわらず、というテーマに人は弱い。

ねえ。もっと泣こうよ。

↓ 一話だけお試し視聴できるようです。

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