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「老害」の言葉を自分への戒めに

「40歳を過ぎたら誰でも、自分のことを「老害」だと思ったほうが良い」という話を聞いた。

これを聞いて、今まで出会ってきた40代以上の人たちのことを思い出す。多くの人は親切で優しかったけれど、中には「え?」という人もいて、それは上司だったり、役職についている人だったり、上の立場となっている人だったけれど、そういう人たちの偉そうな態度を思い出し、あれが「老害」と呼ばれるものだったのだろうか?と思ったりした。

しかしそういう偉そうな態度の人たちも、たぶん意識して偉そうにしているわけじゃなくて、多くは無意識だろうし、彼らなりの善意があったりするんだと思う。その善意を理解することもせず、こちらも善意に対して無意識に拒否反応が出てしまったこともあったのだろうと思うと、「老害」だなんて言葉で片付けようとするには、あまりにもひどい話だろうなと思った。

そもそも「老害」という言葉は非常に攻撃的で、だから誰かに対して使ってもいい言葉ではないはず。ただ、自分に対しては「老害」を意識していきたい。自分としては良かれと思って発した言葉が、相手にとっては大きなお世話になることは必ずあるだろうし、それは年齢を重ねれば重ねるほど、増えていくんじゃないかという気がしている。

そういう大きなお世話を「老害」と片付けてしまうのは暴論のようにも思うけど、とにかく年齢を重ねても謙虚な気持ちを忘れずにいたい。年下の人たちに学ぶことはたくさんあるんだという気持ちを、ずっと持ち続けていたいと思っている。思っているだけで終わらないようにしたいところ。


そんな最近の読書は『財布は踊る』

最期まで読み終わった!
面白かった!!
以上!!!


と、ここで終わることもできるのだけど、それでは味気ないので感想を少しだけ。

章が変わるごとに、スポットがあたる人物が変わるので、専業主婦だったり、情報商材屋だったり、株に失敗したサラリーマンだったり、色んな人が出てくる。

個人的に気になったのは、以前にもnoteに書いたように専業主婦のみづほだったんだけど、本を読み進めていくうちに、奨学金の返済に苦労している女性二人の存在が印象に強く残った。

将来の自分が困らないようにと、奨学金をかりて大学を出たはずの彼女たちは、就職がうまくいかず、低賃金で奨学金返済をしている。お金がないので、マックのシェイクで食事を終わらせることもあるという姿にビックリしてしまった。

本編の中で、彼女たちの生活に関するお金の内訳が書いてある。何か特出して高額な支出があるというわけではない。むしろ節約しまくっていて、なんとか奨学金を返済している姿に、ただただ凄くて、おばちゃんが何かおごってやろうか、という気持ちがムクムクとしてしまった。老婆心が出た(これが老害では?)。

贅沢をしているわけではないのに、お金は目減りしていく。どれだけ食費や装飾費に気をつけてみても、生きているだけでお金は減っていく。これは何も奨学金の返済をしている人だけの話ではない。

誰もが生きているだけでお金が減っていく現実を、目の当たりにしているのではないだろうか。私も毎月の支出額にゾッとしてしまうことがよくある。クレジットカードの請求額を眺めながら、これは何??何でこんなに使われてるの???と思うことは多々ある。内訳を見たら、すべてに身に覚えがあるんだけど、毎月必ず同じことを思う。
私「このカード、不正利用されてんじゃない?」
カード「使ったんはお前や」

生きているだけでお金は減っていくのだから、仕事は高給であるほうがありがたい。高給を目指して大学を卒業したはずであっても、時代が不景気であれば仕事を選ぶことはできない。低賃金であっても、生きていくために必要なお金に変わりはない。けれどそれでは働いても働いても、お金は貯まらない。

『財布は踊る』では、奨学金の返済で苦しむ彼女たちが、どのようにして危機を乗り越えるのかが描かれる。ここで私も知らなかったお金の話が出てくるのだけど、このお金に関する知識があるかないかで、その後の未来は大きく変わるんだと強く思った。

お金は世界の情勢に左右されることもあるので、本当の正解なんてないかもしれない。しかしそうは言っても、多少の知識はやはり必要だし、その知識で助かる人がいるんだと知り、私もお金の勉強を始めようかと思った。さて、何から手をつけようか・・・。

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