見出し画像

【子育て日記】多言語ファミリー 言葉の発達のために心がけていること

1歳10ヶ月の子どもを育てています。
我が家は、私(純日本人)と夫(ヨーロッパ圏出身)の国際結婚夫婦です。元々はお互いの母国に特に縁があった訳ではなく、出会った当初は英語が唯一の共通言語でした。

その後、私が夫の母国に1年ほど暮らした際に、夫の母語を30代に入ってゼロから勉強し、夫の義家族との日常会話には困らないレベルには到達しました。
(資格上はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の制定する中上級レベルではありますが、体感としては、そこまでの能力は身についてないかなという感じです。内容を理解する分には相応ですが、文章にするというスキルにおいては未達だと思っています。)
夫に関しては現在日本に住んで5年以上が経ちますが、もともと積極的に日本語を学ぶモチベーションはなく、日本語でのコミュニケーションは非常に限定的です。(そんな状態で日本に住んでくれているパートナーに私は感謝しています)

しかしながら、夫と出会ってから長らく英語が2人のコミュニケーションツールであった為、会話を夫の母語に切り替えることはしませんでした。そうすれば、私の語学レベルがさらに伸びることは認識していたものの、やはり(夫の母語を学ぶ以前から約15年の蓄積がある)英語に比べると、圧倒的に不自由であり、正直夫とのコミュニケーションにストレスを感じたくはなかったので、私たちにとっては自然な選択でした。また、お互いにとっての非ネイティブ言語を使うことは、ある意味で常にフェアだとも感じています。例えば私が夫の母語がネイティブレベルに使えればそれはフェアになり得ますが、そうではない限りは、非ネイティブ側がネイティブのパートナーと同じレベルで自分の考えを100%伝えることは難しいからです。(言語そのものだけではなく、文化背景を含める)

さて、またしても前置きが長くなりましたが、そんな私たちにも子どもが産まれ、言語は子育ての上で優先度の高い問題となりました。我々は初めから「親は子どもに対しては各自の母語オンリー。子どもには英語で話しかけない」を徹底することで合意していました。

理由は親が複数言語で話しかけることにより、語学チャンポン(I go to 保育園のように言語をミックスして使うこと)が起こることを防ぐためです。また、母語はその子どものアイデンティティ形成においても重要で、言葉と感情は結びついているし、思考に関してはベースとなる言葉がなければ、それ以上広げることも深めることも出来ないからです。そういった観点から、私たちは子どもが両方の母語を本当の意味でのネイティブとして使えるようになることを重要視しています。

ちなみに、よく我が家の状況を聞いて、「子どもはトリリンガルになれていいね。恵まれてるね」などと言われますが、実際には母語2言語を同等にネイティブレベルにするのは、これから先、特に学齢期に相当な努力が必要です。(例えば、このまま日本に住み日本の教育を受ければ、日本語は問題なくネイティブになれるでしょうが、夫の母語もネイティブレベルにしようと思うと、今のままでは不可能です。日本に住みながら、夫の母語で教育を受けるか、夫の母国に長期滞在する必要があると考えています)

多言語環境だと乳幼児期の発話が遅くなることもあると知り、我が子もそうかもしれないなと思っていましたが、実際はわりと日本語に関してはスムーズで現在は3語文をかなりペラペラ話しています。(パパおしごといった。ママごはんたべた。〇〇(子どもの名前)ほいくえんで、どうぶつパズルあそんだ。)
夫の母語は理解は出来るけれど、発話はまだ日本語ほど多くはなく、ボキャブラリーも少ないです。ただ、両親が別の言語を話していることは明確に理解していて、既に両方の言語で知っている言葉であれば、各親に対して使い分けています。

言葉の発達を促すような遊びを積極的に取り入れて来たことが大きいかもしれませんが、もう一つ私がしなかったことに、「赤ちゃん言葉で話しかける」ということがあります。赤ちゃん言葉はずっと使うものではないからまた切り替えないと行けないし、日本語がほとんどわからない夫は私が赤ちゃん語を使ったらますます何の声がけをしているのかヒントすら掴めないと思ったからです。赤ちゃん言葉の使用自体は、音の響きで直感的に意味を理解しやすい、あるいは「ブーブー(車)」など、同じ音を2回繰り返すパターンが多いため強調の効果があり使用メリットがあるという説もあるようなので、一概に良くないとは言えませんが、我が家の場合は赤ちゃん言葉を使わないことで、言語発達がスムーズだった面があるかと思っています。

国際結婚でも、各家庭の状況は、居住国、両親の語学レベル、今後の拠点をどう考えているか、はたまた義家族がどう介入しているか、などなどにより千差万別です。

我が家もこれから先の子どもの言語発達を含む教育については、まだ最終結論を出せておらず模索しているところです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?