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つなぐもの (2)

  シリーズ つなぐもの(1)
       つなぐもの(2)これ。
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       つなぐもの(7)

別にそのせいだけじゃないんだけど、お母さんと『お姉さんにあったことがあるか』の話をしたしばらくあと、高校三年になったばかりの私は別高校に通うボーイフレンドと別れた。
いや、正確には振られた。

お姉さん、のことはいつも考えていたわけではない。
ただ、ふとお母さんに尋ねてしまった質問と、その返答と、ちょうど自分の進路で他県に住む可能性を考え始めた時期でもあって、以前よりもひょいひょいっと考えるあれこれの事柄に絡んで出てきたんだ。

アタマの中にいつも『お姉さんというひと』と『うちの家族』と、結婚する前のお父さん、お母さんのことがぐるぐるしていたから、どうやら彼の話をあんまり聞いてなかったみたいだ。いや、私は聞いてたつもりだったんだけど、彼いわく

「結海ってさ、オレに全然興味ないでしょ。なんかさ、わざわざ時間つくって会ってくれなくてもいいよ、もう」

って。振られるのは簡単だったな。あっちは私が振った、っていうんだけど。

中学のときに一瞬「つきあった」男の子にはいわゆる「二股をかけられていた」のですぐ別れて、まぁちょっとした心の傷になった。
でもそれが「かげ」に見える事もあるらしい。そしてそれは男の子にはちょっとミステリアスだったらしい。少なくとも「興味ない」発言の元彼はそうだったらしい。

それで中学卒業直前に「前田さんってなんかかっこいい」と告白してくれたのが、別高校に行くことになったけど次に付き合った彼。・・・なんだけど、この間「オレに興味無いでしょ」って振られたときに言われたんだ。

「かっこいいって思ってたのは単に、あんまり他人に関心持たない結海を、オレが勝手に良いように誤解してたんだってわかった」

・・・めんどくさいな。

私だってそれなりに考えることもあるんだよ。話きいてくれない、じゃなくて何かあったの、って言えないのかな。・・・ってしばらくしてから腹が立ってきた。

拓海に愚痴をいったら大笑いされた。オトコは自分だけ見てて欲しいもんだろうよ、って。あいつ、きっとマザコンだぜ。

「見てて欲しい?そんなの、お子様なあんただけでしょ」

「ねーちゃん、そのまえに自分が好きって思う人と付き合えよ。」

・・・あー、確かに。問題はそっちだった?


「・・・とーさんとかーさんは、さぁ、お互いに見てて欲しい人だったのかな。結婚したかったのかな」

突然拓海がつぶやいた。さすが弟、同じ様なこと考えてた。


知らないよ。でも今私達の家族がこうやってケンカしながらも仲良しで暮らしてる、それでいいんじゃないの。

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見出し写真は「みんなのフォトギャラリー」より、tome館長さんの作品をおかりしました。

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