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人の心を動かす ストーリーの作りかた入門 :: たちばな やすひと (著)


2019年暮れから書き始めた、長い長いSF小説もまもなく終了。
KDPも9冊まで出版し、内容はともかく個人的には区切りが付きつつあるところです。

この本を読むきっかけ

Amazonのお勧めリストあったこの本を読んでみると、思いのほか良書😊
noteには、物語を書かれる方がたくさんおられるのでご紹介。

小説を書き始めてから「小説の書き方」本はいくつか読みました。

ある時期、Amazonでレビューの多かった「書き方本」を何冊も読んでみたのですが(ほとんどの本がUnlimiedでした)、素人目で見ても「この人、小説(創作)を作ったことがあるの?」という本が結構あります。
著者の紹介ページを見ると「なんたら講師」や評論家の類。
思うに、自分で作ったこと(やったこと)のない人が書くハウツー本ほど、的が外れているものはないのでは? と思います。

どんな本?

今回ご紹介の本、著者は制作会社勤務〜独立で、ずっと創作に関わってきた方。
物語の著書こそありませんが(人が読みたくなる)小説を書く上でのツボを、上手く押さえているように思います。
Amazon換算で86ページ(3万字強)とすぐ読み終わる本ゆえ、必要なことしか書かれておらず、小説を書いたことのある人なら、自分の小説に重ね合わせて『そうだよね』と合点のいくところが多々あると思いますが、小説をこれから書こうとする人には、イメージが湧きにくい箇所があるのかも知れません。

前回の読書感想文、私とは何か「個人」から「分人」へ :: 平野啓一郎(著)もそうでしたが、たちばな やすひと氏もnoterさんです。

投稿を遡れば、この本の中で述べられている内容がいくつか出てきます。

CQの話からこの本はスタートしています。

全体構成はこのような感じです。

目次
第1章 感動を生み出すストーリーに一番大切なもの
第2章 最後まで見届けたくなるストーリーの秘密
第3章 見る人を惹きつけ、満足を高めるストーリーの構成法
第4章 魅力的なキャラクターの条件
第5章 ストーリーで共感、感情移入、没入が起こるとき
第6章 ストーリーで感動が生まれるとき
第7章 創造的な閃きを支えるものは、自分への理解度
第8章 人の心を動かすストーリーの作り方

人の心を動かす ストーリーの作りかた入門 (スマート新書) Kindle版

感想など

この本を読んで、自分が「小説家になろう」に初めて書いたSF小説が、書き始めて3ヶ月くらいで、とある賞の最終選考まで残った理由が分かりました。そのあと拙い文章を校正しながら長く書き続けても、賞から縁遠くなったことも理解できます。
このSF長編、Kindle本で見るとVol.1〜2あたりの内容(「小説家になろう」版はこちら [ 70話あたりまで ])で、賞の選考に残ったと思います。

小説を書くからには「他の人に読んで欲しい」という気持ちが、誰でも多少なりともあるかと思います。
であれば読者の気を引く、読みたくなるような小説、という観点から自分の書く小説を見直しても良いのではないでしょうか?

少ない経験から申し上げれば、読み始めて気を引くところがなければ、賞の選者も、物語の先を読みたくならないのではないかと思います。
ここら辺までのことを書かれているのが1〜4章。

5章以降は、少し精神世界に踏み入ります。
感動とは何なのか? 物語を作るとは?
共感できるフレーズもありました。

『創造的な閃きを支えるものは(中略)「自分のことをどれだけ理解しているか」であると思っています。』
「創造性とは自分への扉」(中略)作ることは自分を理解すること。

100万字近くの小説を書いていると、文章のいろいろなところに「自分が出てくる」ことを感じます。
日頃から思っていても他人に話さないこと、自覚していないけど無意識に思っていることが、小説の中に現れます。

最後の8章は読者サービス😊
こうやれば誰でもストーリーが作れるという方法をご紹介
ちなみに私の長い小説は『C:主体+障害』パターンです。

主体のキャラクターは最初にしっかりと作りました。
物語の中に一度も書かれないバックグラウンドも多々あります。
例えば、主人公たちの育った環境、家族構成(職業他)、住所等を設定しています。
それを最初に決めておけば、メインストリームから少し外れたエピソードでも主人公たちが勝手に動いてくれるので、それを書く方は楽です。

何を障害にするのかは、書き始めてからもなかなか定まりませんでした。
目先の障害はすぐに出て来るのですが、根本の要因を決めるまでに時間がかかりました。

それが決まれば、クライマックスシーンに向かって書き進むだけ。
と言いたいところですが、最終巻の10巻部分をまだ執筆中😅


MOH


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