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私子育て『大人の階段登ってプリンセスプリンセス』

子育てって、不意に孤独になるなと実感した。
子供達は気を抜いているうちにどんどん私の知らない世界へ歩き出している。

保育園のお迎えについて、私は比較的早い方だ。まだクラスの子ほとんどが部屋にいる時に行くので子供達から声をかけられるのも少なくない。私が他の子達と話していると息子は少し不満そうにしていた。それは、母としてはちょっとだけ嬉しい瞬間でもある。
最近、そうゆう場面になっても息子は私に興味がない様子で帰り支度をしたりまだ友達とやりとりをしていたりする。促しながら帰るのだけどそこに少し寂しいなと思っていた矢先…
いつものように迎えに行くと普段はあまり会わないお母さんがいた。誰のお母さんか分からないから軽く会釈するくらい。そのまま私も息子の準備が済むのを待っていた。準備を終えた息子が、私を通り過ぎて
「◯◯ちゃんのおかあさーん!!」
とそのお母さんのもとへ走り寄っていく。

えーーーーーーー!!!!!!!泣泣泣

ウソでしょ⁈
そのお母さんは息子のことを軽くあしらいながら話を聞いてくれた。私は全身から湧き上がるヤキモチのオーラを隠して「ありがとうございます」とニッコリ。そのお母さんに罪はないし、何なら息子が大好きな女の子のお母さんだったから仕方のないことだ。
でも、悲しかった。猛烈に。
私はもう息子の中で“何においても優先する人間“ではなくなったということ。
心の中でプリンセスプリンセスの『M』が流れ始める。
大袈裟な!と思うかもしれないけど、コレ本当に寂しい。失恋より辛い。この世にこんなに辛いことがあったのかと思うくらい、子供の成長は嬉しさと寂しさの表裏一体だ。
他の子より少しだけ心の成長も遅かった息子はつい最近まで私がいなければドラッグストアで泣きじゃくるような子だった(何回この話すんだ)
思い返してみれば、もう泣くどころか自分の好きな場所にズンズン向かっていく。その背中を見ながらまたしても流れる『M』のイントロ(知らない人はサブスクやYouTubeで)
私、この春ずっとプリプリに世話になってる。

ただし、息子は保育園での準備関係は絶対やらない。そうゆうところは母任せ。ホント思春期じゃね⁈そうゆう話はもっと大きくなった子供のお母さんから聞くんですけど…

もう少し、もう少しだけ可愛いままでいてほしい。そんなことを願っているうちにあっという間に年頃の男子になってきた息子。
もう6歳か。来年は小学生だもんね…

早いぃぃぃぃぃぃ!!!!!!泣泣泣泣泣

私、この時点でもうついていけない…これからどうするんだろ。義務教育だけでも9年あるよ…
私は息子が手を離れていく度にプリプリ聴いて泣く覚悟である。
多分、彼女とかできる年になったら諦めがつく気がするんだけど、この幼児期が一番辛いきがする。つい最近まで私がいないと何もできなかったのに!!ってなるから。

私、一丁前に母になった。

息子を産んだのは31歳で、それまで好き勝手に生きてきた私に子供を愛せるのかと不安になったことがある。大きくなっていくお腹を眺めながら漠然とした不安に駆られた。
骨盤狭窄のため帝王切開になり、泣かない息子を見た瞬間猛烈に申し訳ないと思った。正規のルートを通って産んであげられなかったこと、苦しい思いをさせてしまったことが悲しくて号泣していたら看護師さんに麻酔切れたのかと思われた。(出産時のことについては別に書いていくつもりです)
よく飲んでよく寝てあまりにも新生児育児が楽すぎてそこでも自分が愛情を持って接しているか不安になった。
その後、息子の吃音や発達障害疑惑、保育園や友達とのトラブルを通り過ぎながら私の中で「息子のことが大事だ」と何度も確認することができた。

息子は沢山の不安や心配をくれながら私を母にしてくれたのかもしれない。

やっぱり好きだな息子!!

そして、息子がどんどん手が離れていく中で娘は変わらず私と手を繋いで寝るのを楽しみにしている。
私が息子に「母ちゃんなんか大嫌い!」と言われて落ち込んでいると「娘ちゃんは母ちゃん大好きだよ!」と慰めてくれる。私を世界一可愛いと言い、その次は自分だと言い張る。

やっぱり娘も好きだな!!

…ということは、娘が息子同様私から離れる時もこんな気持ちになるのか。
2回か…大丈夫かな。倒れるかもしれない。

何度失恋しても諦めきれず、それでも見守り続ける。
ちょっとここだけ見たら怖いけど、いいの!母だから!

息子に「息子くん、どんどんお兄ちゃんになって母ちゃんが息子くんのお世話することも無くなったら少し寂しいな」と言ったら息子は大真面目に言った。

「大丈夫!源ちゃん(星野源)のお世話すればいいよ!」

したいな…そこ、夫じゃない辺り、息子がよく分かってると思う。

本音としては、息子には私のことにこだわり続けて生きて欲しくないと思っている。
母親という存在に縛られて自分の自由を無くすような生き方はしないように、させないようにと思う。
子供達のためなら何回だって頭を下げるし、総理大臣にだって物申せる気がする。そのことを子供達が知っていてくれたらそれでいい。
母は、星野源に見立てた夫の面倒を最期までみていくよ。
だから、母ちゃんが最期の時はちょっとでいいから泣いてくれ。
そして、また親子に生まれ変わろう。

5歳にして母はもう涙腺が緩みまくっている。
それはきっとMのせい。

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