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「古き良き文化が残る」 大儀山 会林寺 1/2

時代に即した布教活動こそ次の世代が担う務め

 会林寺は、清水城(最上郡大蔵村)の五代孫二郎義高其の母を開基として、城外比良の地に永正十七年(一五二〇年)七月に建立、本寺西来院八世宏岳青隣大和尚によって開山。貞享四年(一六八七年)九月二十九日に火事にあいますが、元禄五年(一六九二年)に再建されました。そんな歴史ある会林寺の第二十八世住職として、60年近く地域を見てきた後藤信而老師へ、今と昔の葬儀についてお話しを伺いました。

 家族はもちろん親族・知人・友人のみで執り行う家族葬をはじめ、簡素化への傾向にある現代。家族葬のような家族だけのお葬式は、日本の伝統的な葬儀本来の在り方ではないなと思いますが「葬送文化は少なくともこの地域では伝承されている」そう後藤住職は言います。葬儀の簡素化や、参列者の数そのものが少なくなっていることは確かです。しかしながら依然として近隣の方をはじめ集落の方のほとんどが外へ出てお見送りをする「野辺送り」という土葬時代からの葬送文化は形式を変え、今でも行われているとのこと。昔は土葬であったため、亡くなった人がいれば葬式組と言われる人たちが棺を担ぎ、皆で行列になり墓地まで行き、穴を掘り、棺をおさめていたと言います。 

 曹洞宗の葬儀というのは宗教的にも非常に意義のある授戒を行い、仏教信者として、あの世にお送りするという葬儀の形式です。これが日本の葬儀文化で葬送儀礼の基本です。この地域では、まだ檀家組織が依然として強く守られており、伝統的な文化を継承できる状況にある。時代と共に、少しずつ形は変わろうと「伝統を守りながら葬儀の文化は受け継いでいくべき」と後藤住職は語ります。

 それにはやはり時代に沿った布教活動が必要になります。時代に即した布教活動、そして葬儀を行っていくことこそが、次の世代の住職なり寺の務めだと思っています。


本堂欄間の「彫刻飛天(ちょうこくひてん)」

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二代目出羽勘七作の彫刻飛天(欄間右側)

会林寺本堂にある欄間は、羽黒山の祭殿彫刻など彫刻師として有名な二代目出羽勘七の作品。この欄間を観に訪れる人も多いそうです。


二代陽山氏作 地蔵尊

前の位牌堂を建てる際に安置するための仏像を、先代との色々な縁があり野川陽山氏へお願いし彫っていただいた地蔵尊です。

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位牌堂に安置されている地蔵尊


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曹洞宗 大儀山 会林寺(たいぎさん えりんじ)
場所/ 新庄市十日町765
電話/ 0233-22-5019


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