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霞が関から新宿のサッカークラブへ

昨年秋に総務省を退職し、関東1部(J1から数えるとJ5)に所属するCriacao Shinjuku(クリアソン新宿)に転職して、半年以上経過しました。

少し振り返りながら、なぜ新宿のサッカークラブに来たのか、少しお付き合いいただければと思います。

※以下クラブ公式見解ではなく、私個人の考えですので、よろしくお願いします。

地域のコミュニティと制度設計

話はさかのぼりますが、鹿児島出身の私は、18歳で大学進学とともに上京し、海外インターンシップを運営する学生団体AIESEC(アイセック)に所属していました。

当時一度も海外に行ったことのない私が、とにかく大学生の間に色々な価値観に触れたい!海外に行ってみたい!という安易な動機で入会したのですが、「平和で人々の可能性が最大限発揮された社会の実現」を目指すという”ビジョン”と、「世界中のリーダーシップを持った若者が社会課題を解決する」という”理念”に共感して、気づけば熱中して大学3年を過ごしました。

ふと自分が就職活動をする立場になったとき、自分が課題解決をしたい領域は何か。グローバルなキャリアなのか、日本の地域・地方の課題解決なのか。

一度立ち止まって考えてみると、自分の根幹や生まれ育った環境、島根県邑南町で出会った皆さんの言葉もあり、
鹿児島など地域のコミュニティをより良くするにはどうしたらよいのか?
持続可能な地域社会・自治体ってどうしたら実現できるのか?
と思うようになりました。
その関心を突き詰めていった結果、地方自治の制度設計と現場を行き来しながら解決をしていきたいという想いで、総務省に入省しました。

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総務省で、岩手県庁での勤務、消防・防災関係の業務、2040年の自治体戦略、スマート自治体、地方自治制度など多様な業務に関わることで、人口減少・高齢化が急速に進むこの国でどんな制度が求められるのか、よりよい地方・地域を作るための制度の役割とは何か、徹底的に向き合った期間でした。

新宿にあるサッカークラブの応援席

そんな時に出会ったのは、当時、関東2部リーグ(J6)に所属するクリアソン新宿の試合でした。

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都心の真ん中で、まだ約200人の応援席にいる人々の熱量・熱気。なんか新宿に新しいコミュニティがある。

「Enrich the world.」というタグラインを掲げて、クリアソン新宿というチームが結び目になって、大都会新宿で、繋がりを生み出す、休日に豊かさを添えるそんな存在になる。

このコミュニティで新宿からより豊かな社会を作れるのではないか、と心が動いた瞬間でした。

今はまだJリーグ入りを目指すクラブで、観客は200人程度ですが、クラブの”理念“に共感し、このクラブを応援することで社会を豊かにしたい、と思う人がより1,000人、10,000人…となっていけば、ここ新宿から、官民問わず1つになって、現場から素敵な社会を目指すこともできる、と確信しました。

当然、霞が関からマクロで課題解決できて、現場では解決できないことは多々ありますが、その逆もまた然り。制度設計で解決できなくても、地域のサッカークラブという現場だからこそ、ミクロレベルで課題解決できるということもあります。

スポーツで社会を豊かにしたいという理念を持つクラブは、パブリックとプライベートの結び目を作ることができると信じています。

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新宿×サッカー×豊かさで何が生まれるのか?

新宿という街には、多様な顔があります。

新宿区には約34万人の方が住んでおり、そのうち約12%の4万人は外国籍の方(23区1位)です。
世界一の乗降者数を誇る新宿駅、都庁、歌舞伎町、新宿御苑があり、新大久保、神楽坂、早稲田があり、多様な人々が共存する街です。

私自身も徒歩10分で新宿御苑の職場という、職住近接の生活を送りながら、新宿という街に住み、働き、日々実感しています。前職時代も住んでいた街ではありますが、サッカークラブに来たことで、出会う人も繋がる人も増えて、今は明らかに違う街に見えています。

このような特徴を持つ都心の新宿で、サッカーを通して、何を達成したいのか、生み出したいのか、現時点での想いを2つ書きたいと思います。


1つは、クリアソン新宿が「繋がり」・「結び目」になること。

コミュニティが希薄化していく都心で、サッカーを通して言語や国籍・障害色々なものを越えるコミュニケーションを生み出すこと、クリアソン新宿と何かが繋がることで、新たな価値を見出せる取組を増やしていくことをしていきたいと思っています。

例えば、図書館とサッカークラブ。一つの出会いから生まれた連携でしたが、理念・活動に共感し、応援したいという館長の想いで、“日々の生活をちょっと豊かにしてくれる”をテーマにおすすめの本を展示しました。


もう1つは、子供たちの運動機会・何かのきっかけづくりをすること。

運動施設が限られ、運動機会そのものが減少している新宿において、生まれ育つ子供たちに、よりよい機会提供をしていきたいと思っています。

都立新宿高校との連携や、コロナ禍でのFor the DAY企画など、一歩ずつではありますが、何か人生にとってきっかけになる、前向きになれるそんな瞬間を作っていきたいと思います。


まだまだ道のりは長いですが、素敵な選手・メンバー・応援して頂いているパートナー・地域の皆様、何か取組を観て面白いとなった方、この時代に、ここ新宿が掲げる『新宿力』を体現するものの一つとして、サッカーの力で心を動かし、少しでも豊かな社会の実現に貢献していけたらと思います。


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