一進一退

戦慄し、安堵した。

学科のブログを久しぶりに覗いた。そこにあった名を見て思った。一人の先生を見て息が詰まる思いがし、そのブログの文責者であった一人の先生を見ては、少しだけその気持ちが和らいだ。

その後から調子が崩れた。

とにかく怖くて怖くて堪らなくて、しばらくは大丈夫大丈夫怖くないよと、必死に唱え続けた。

在学中、どちらも、お世話になった先生であることに変わりは無いはず。相談にのっていただいた二人。でも明らかに違うのは、一人から受けた言葉に私が傷付いたこと。それは叱咤激励とも取れるけど、私は人権侵害だと思った。私が私で在ることを否定された気がした。

あれからあと少しで、二年が経つ。

でもまだ治らない。傷が治らない。その頻度は減ってきたとは言え、油断するとすぐこうなる。私が悪い。学科のブログが気になって覗きに行ったのがよくなかった。

在学中、実はずっと怯えてた。いつ会うか分からない恐怖で、足がすくんだ。四年生の時、少し遠くにその人がいて、話し掛けられた気がした。声聞いただけで、死ぬかもってパニックになって、その場から思わず、逃げ出したこともある。あの時ばかりは完全に、理性を忘れていたと思うけど。

それでも、その人にだって、以前たくさん弱い部分を晒したのは事実。それを聞いてくれたから今の私が在る。それも事実だし。でもそれでも怖いものは怖い。胸が締め付けられる思いがするのも、これまた事実なのだ。講師対学生として、当時、弱い立場にあった学生に強い言葉を放って、自分が気持ちよく悦に浸りたかっただけなんじゃないの?そんな疑念が拭えないんだ、悪いけど。

申し訳ないと思う。

話聞いてくれたのに。私の話を受けて、ご自分だって、当時の苦しかったことを、話してくれたのに。追い詰められた時のこと、話してくれたのに。この人にもそう言う時期があったんだなって思えて、幾ばくかは楽になったのも事実なのに。

だから私は、あの時起きたこと、その人だけを、悪者に仕立て上げることは出来ないししたくない、すべきではないと思ってる。これも当時から変わっていないこと。

一進一退でいいよね。

焦らずちょっとずつ、修復して立ち直って行ければそれでいい。まだ、数年前の濃い記憶として、脳に深く深く、刻みつけられてしまっているだけ。消えたいと自責に駆られるのも、あの時の恐怖を身体が覚えているだけだから。

ここは安全だから。大丈夫だから。

また飲みたいなあ、タリーズのハニーミルクラテ。これ飲みながら書くと、執筆が捗るんです…!