【カサンドラ】 33.誕生日
あの日から突然世界が逆転した。
男性という生き物が気持ち悪くてたまらなくなり、
見ず知らずの男性とすれ違う時でさえ息を止めて歩くようになった。
半径1m以内に男性がいることに気付くと、吐き気がこみ上げてくる。
今まで私を「女」と識別してきた男全て
道端ですれ違う男全て。
女を女として認識し、
あわよくば自分の欲求を発散させるための道具にしようと
上辺の言葉を並べている男という生き物全てが
この世の汚物に思えた。
携帯の番号を変え、誰にも言わずひとりで準備して家を引っ越し、