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舞台を辞めようと思った日のこと。

【舞台を辞めようと思った日のこと】

2年前のこと。
団体の10周年公演が終わった時、私は無力感でいっぱいだった。最初に言っておくと、関わってくれたスタッフキャスト陣には一切非は勿論なくて、ただ、ただ、自分の力不足に打ちのめされていたのです。

劇団の旗揚げメンバーとして、10年間走り続けてきて、本当に無我夢中だった。
嬉しいことも悔しい事も、悲しい事も憤りも、ほんとに色んな経験と感情を団体の運営をする中で得てきた。

喧嘩別れのようになってしまった人たちもこの10年でいる。

全部ひっくるめて、10周年、どうしてもやりたいと思った作品だったから沢山の方の力を借りてやらせて貰った。

本当の自分に出逢う旅

それがテーマだった。このテーマをやりたくて、相関図を書いて原案を書いて、脚本家に渡して、初稿が来たときはスタバで読みながら泣いた。なんて美しい物語なんだろうって。打ち震えた。自分の頭の中にあった妄想がこうして脚本として命を与えられてる。あの感動はちょっと形容し難い。

伝えたいテーマだった。本当に。

何故、終わった後に無力感でいっぱいになったかと言えば、
①興業としての失敗
②何がやりたいのか分からなくなった

色んなことが要因としてはあるんだけど、
まぁ、大きくはこの二つ。

①があったのもあり、組織として抜本的に体制を見直す必要があると思ってみんなで何度も話し合って
『劇団』という形をやめて、『プロジェクトチーム』の関わり合いが現在、私が所属しているじっぽん-Jippon- では大きい。

②に関してはねー、なんか、自分の悪い癖だなぁって思うんだけど、相関図書いてる時がわたし一番ワクワクしてたなって振り返って思うの。で、前述した脚本受け取った時、テーマ曲が出来上がってきた時、振り付けが初めてついた時は本当に嬉しかった。

色んな制作のことで追い詰められてきた時に
その最初のワクワクよりも、なんだか“義務感”“責任感”が強くなって、純粋な楽しいが0じゃないにしろ、凄く薄まっていく。

沢山の人と関わってるなかで、色んな人の話の間に入ってるうちに、立ち回ってるうちに

あれ、わたし、何が一番したかったんだっけ。

って、振り返る事すら忘れてしまう。

これは10周年公演に限らず、団体で動いてる中で自分の悪癖てしてあったなぁと。
立場とかに自分で勝手にとらわれて、周りの目が気になったり、トラブル対応に心が持ってかれたり、変に気張ったり…

10周年公演が原因とかじゃなく、そんな自分のリーダーシップの取り方が“あ、限界なんだな”っていよいよ気づいてしまった感じがちょうど2年前。

誤解のないように言っておくと、全部が全部悪かったとは1ミリも思ってなくて、がんばり方を変えなきゃなっていよいよ思ったのがそのタイミングだったって感じです。


舞台を辞めようと思った、って書いたのは、10周年公演が終わって少し経ってから色々あって熱を出して2、3日寝込んでた最中。
色んなことで自分を責めるスパイラルに体調悪かったのも重なって陥ってたんですね。

そんな中、恐ろしくハッキリとした夢を見た。

私達の団体で過去に“東大寺の大仏建立”の物語を上演した事があるんです。
「いつか、本物の盧舎那仏の前で公演を打ちたいね」なんてメンバーとは話してて。

夢に出てきたのは、その盧舎那仏でした。突然。

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物語のクライマックスの台詞を、私は盧舎那仏を見上げながら言っている。時代がタイムスリップしてるのか、舞台を上演してるのか分からないくらい、リアルな景色。
内側から喜びが湧き上がって来ていた。

目が覚めると、明け方で、熱が下がってた。
その日、数日ぶりに電車に乗って出かけると、東京駅のあるエリア一面に奈良の大仏の映像が……

盧舎那仏でいっぱい。

え、そんな事ってある?って思った。その後会った友人にその話したら、その子が奈良出身だったり、何かとにかく凄い偶然が重なって思ったの。

東大寺で大仏建立のお話を上演したい。これは考えるとワクワクするから…いつかその景色が見たい。

演劇、との関わり方って無限にあって良いと私は思っていて、私の場合は、もううまい言葉は出てこないんだけど

“この景色を見てみたい。”

これが自分の原動力だし、もうこれに尽きるんだと思う。で、その純粋な思いをプロジェクト進めてる中でどれだけ原点回帰できるか、がめちゃくちゃ大事なんだって。

今色んな人達の力を借りて進めている舞台【はら、はらり】も理由は色々あるんだけど、一番はね、

やりたいと思っちゃった

4年前から理由も分からず吉原遊郭の女たちの物語をやりたいって思っちゃったって事なんです…

今年は緊急事態宣言あけてから、毎月吉原に足を運んでて、なんかこの街が好きだなぁって行く度に思うようになって。不思議なんだけど落ち着く。
吉原遊郭の跡地を巡って、遊女たちの遺骨に手を合わせて、想いを馳せる。

よばれてる、のかもね

って、言って頂いたりもしましたが、私は見えたり聞こえたりしないので分からない。わからなくても良い。この作品を、やりたい、と思った。その純粋な気持ちを今回は最後まで本当に大事にしたい。どんな事があっても。

やりたい、そう思ってから色んな気持ちが湧き上がって来たので公式サイトにはその想いを綴っています↓

🥀http://nettencom.xsrv.jp/haraharari/project/トップページ/project/


🥀はら、はらりご予約
https://eplus.jp/sf/detail/3321430001

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