大島資生

東京都豊島区駒込、JR山手線駒込駅北口正面にある小さなお社・大國(だいこく)神社の神職…

大島資生

東京都豊島区駒込、JR山手線駒込駅北口正面にある小さなお社・大國(だいこく)神社の神職をしています。 もともとの専門は日本語学(現代日本語文法論・意味論)です。多摩地区某所で二足目のわらじを履いています。 音楽・美術、特に現代の作品に関心があります。

マガジン

  • 音楽所感

    聴いたものについて所感を記しています。現代曲が多め。

  • 展覧会所感

    展覧会の所感を記しています。

  • サントリーホール サマーフェスティバル2023

    サントリーホールで毎年開催されている現代音楽祭、2023年の「プロデューサー・シリーズ」は作曲家、三輪眞弘氏のプロデュースにより、「ありえるかもしれない、ガムラン」をテーマに展開。また、テーマ作曲家としてオルガ・ノイヴィルト氏を迎え、トーク&作曲ワークショップ、オーケストラ作品、室内楽作品それぞれの個展が開催されました。

  • あやなさん

    綾凰華さん関連

最近の記事

TIME 坂本龍一 + 高谷史郎

※作品をまだご覧になっていないかたへ 以下の所感は、作品についてある程度細かい記述を含みますので、ご留意いただけますと幸いです。 2021年6月にホランド・フェスティバルにおいて初演された舞台作品の、日本初演である。 舞台の中央には全体の1/3ほどの幅をとって、奥から手前までごく浅く水が張られている。舞台奥の壁面は大きなディスプレイとなっており、さまざまな映像が投影される。 冒頭、宮田氏が笙を奏しつつ、下手袖からあらわれ、ゆっくりと水を横切り、上手袖へと消える。宮田氏は

    • 流態 ルタイ ~Crossings × accoustic × fluid × space~

      東 俊介(作曲・パフォーマンス)  森 紀明(作曲・パフォーマンス)  黒田 崇宏(作曲・パフォーマンス)  中村 光男(制作・映像)  山田 聖(美術・演出) 山田 岳(ギター)  安藤 巴(打楽器)  亀井 庸州(ヴァイオリン)  磯部 英彬(音響)  麗乃(照明)  坂田 尚也(身体) 主催:Crossings デザイン:山田聖 助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】 公益財団法人朝日新聞文化財団 音楽、ダンス、アー

      • オペラシアターこんにゃく座 オペラ「神々の国の首都」

        ハーンは冒頭で「自分は今夢の国にいる」と語る。これがこの作品を貫く主題かと思う。 ハーンは幼くして生地ギリシャを離れて以降、フランス、アメリカ、西インド諸島と、さまざまな土地を転々としている。だが、自身の人種的・文化的ルーツへの拘りのない人だったのではないかと、舞台を観つつ想像した。キリスト教への嫌悪感をはじめ、自身の生来の属性に繋がる文物に対して違和感を抱えており、自身が収まるべき場所を絶えず探していたのではないか。そしてたどり着いた日本でようやくその場所を見つけたのでは

        • 東京現音計画#20~コンポーザーズセレクション7:野平一郎〜回想のイティネレールと「飽和」(サチュラシオン)

          プログラム監修:野平一郎 プログラム ◯ラファエル・センド《バッドランズ》打楽器のための(2014) ◯ヤン・マレシュ《ティチューブ》チューバのための(2001) ◯ユーグ・デュフール《マティスによる「赤いアトリエ」》エレクトリック・ギター、サクソフォン、ピアノ、打楽器のための(2020) ◯フランソワ・ブーシュ《エコー分裂》エレクトリック・ギターのための(1986) ◯ミカエル・レヴィナス《空間ピアノのエチュード》(1977/2010) ◯ヤン・ロバン《5つのミクロリュー

        TIME 坂本龍一 + 高谷史郎

        • 流態 ルタイ ~Crossings × accoustic × fluid × space~

        • オペラシアターこんにゃく座 オペラ「神々の国の首都」

        • 東京現音計画#20~コンポーザーズセレクション7:野平一郎〜回想のイティネレールと「飽和」(サチュラシオン)

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          6本
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          8本

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          夜の海辺の組曲ZOU-NO-HANA NIGHT CONCERT

          Music by mama!milk 出演 生駒祐子 アコーディオン 清水恒輔 コントラバス Gak Sato 音効、テルミン 照  明:山本周平 宣伝美術:stompdesign 記録写真:野田昌志 技術協力:吹田哲二郎 協  力:イトウ音楽社、NOREN MUZIC 企画制作:MUSICA MOSCHATA 主  催:象の鼻テラス 明かりが落とされると、小さくオルゴールの音が聴こえてくる。音がだんだんはっきり聴こえるようになり、オルゴールを手にした生駒氏と清水氏が

          夜の海辺の組曲ZOU-NO-HANA NIGHT CONCERT

          アピチャッポン・ウィーラセタクン「太陽との対話(VR)」

          国際芸術祭「あいち2022」の委嘱による作品。 映画鑑賞とVR鑑賞の2部構成からなる。映画は主人公の男性のモノローグを背景に市街地などの風景がゆっくりと切り替わっていく。男性は夢を見たと語る。夢の中で詩人たちが集まってくるのだという。「彼らは見ないふりをする」ということばが印象的である。 映画鑑賞のパートでは、同じ会場内で前の上映回の参加者がVRを鑑賞している。VR鑑賞者が装着しているゴーグルの中では、ほかのVR鑑賞者は光の点として表示されるが、ゴーグルを装着していない映

          アピチャッポン・ウィーラセタクン「太陽との対話(VR)」

          加藤訓子「B A C H」J.S. Bach series vol. 1

          マリンバ:加藤訓子 J・S・バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻第一番プレリュード 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番イ長調 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調よりシャコンヌ 加藤氏は、身体全体をしなやかに使って弾く。その姿から、バッハの音楽を真正面から、全身で受け止めようとしていることをひしひしと感じた。打楽器は奏者の身体の動きがそのまま音になる部分が大きい。がっつりと音楽に取り組む身振りがダイレクトに音として立ちあらわれる。 実

          加藤訓子「B A C H」J.S. Bach series vol. 1

          井上郷子ピアノリサイタル #33 伊藤祐二作品集

          【プログラム】 ゆるぎなき心(2019) 振り返りⅠ ヴァイオリンとピアノ(1977) ソロイスト(1996) ヴァシレ・モルドヴァンの7つの詩 ソプラノとピアノ(2002) メレタン(2014) 偽りなき心Ⅱ ピアノ版(2015/2022) 誰もが雪の結晶を持っている(2024) (委嘱作品・世界初演) 【出演】 井上郷子 ピアノ 長島剛子 ソプラノ   松岡麻衣子 ヴァイオリン 【制作】 nothing but music 井上氏による、恒例の春のリサイタル。今回

          井上郷子ピアノリサイタル #33 伊藤祐二作品集

          2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」 本荘悠亜/横山博

          ●プログラム● ホルスト: 組曲『惑星』より木星 "ジュピター" ラヴェル:ソナチネ(本荘悠亜氏) 小杉武久: Distance for Piano(横山博氏) スティーヴ・ライヒ: Piano Phase ドビュッシー: 白と黒で 音響:オタイオーディオ株式会社(電子ピアノ専門店otto)、エレクトロボイス(ボッシュセキュリティシステムズ) 照明:植村真 撮影:まがたまCinema ●主催:本荘悠亜 ●協力:オフィス・ゼロ ●音響:オタイオーディオ株式会社(電子ピア

          2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」 本荘悠亜/横山博

          アンサンブル・コンテンポラリーα 定期公演2024 『独奏の妙技〜ハインツ・ホリガーを巡って〜』

          【曲目】 ■ ハインツ・ホリガー: Sonate (in)solit(air)e (1995) 多久潤一朗(フルート) I. Clôture ouverte(開かれた囲い) II. Allemande(アルマンド) ■ 北爪裕道:ディメンションズ (2024 初演) 神田佳子(打楽器) Dimensions (2024 WP) ■ ハインツ・ホリガー:Sonate (in)solit(air)e (1995) 多久潤一朗(フルート) III. Courante(

          アンサンブル・コンテンポラリーα 定期公演2024 『独奏の妙技〜ハインツ・ホリガーを巡って〜』

          向井響 作曲個展 美少女革命

          作曲家の、30歳という節目にあたっての個展とのこと。 ・ピアノとエレクトロニクスのための「東京第七地区」(2017)(小倉美春氏) ・無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ(2022)〜1.グラーヴェ(石原悠企氏) ・チェロとエレクトロニクスのための「マグノリアの花」(2023) ・無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ(2022)〜2.メロディア(千葉水晶氏) ・ユーフォニアムとエレクトロニクスのための「美少女革命 Drama Queens」(2022) ・尺八とリコーダ

          向井響 作曲個展 美少女革命

          「音の始源を求めて」「72°×5=360° ICON」立体音響作品を聴く

          <曲 目> <4チャンネル作品> 1. 空の時間(1979) 松本日之春 2. エメラルド・タブレット(1978) 佐藤聡明 3. リヴァラン(1977) 近藤 譲 <5チャンネル作品> 4. ホワイトノイズの為のイコン(1967) 湯浅譲二 主 催:大阪芸術大学音楽工学OB有志の会 協 賛:株式会社ジェネレックジャパン 協 力:スリーシェルズ 今年(2024年)はNHK電子音楽スタジオが誕生して70年とのことで、それを記念する企画の第一弾。 松本作品…西行の歌による作

          「音の始源を求めて」「72°×5=360° ICON」立体音響作品を聴く

          東京都交響楽団第992回定期演奏会Bシリーズ

          ジョン・アダムズ:アイ・スティル・ダンス(2019)[日本初演] ジョン・アダムズ:アブソリュート・ジェスト(2011)* ジョン・アダムズ:ハルモニーレーレ(1984-85) 指揮/ジョン・アダムズ 弦楽四重奏/エスメ弦楽四重奏団* 作曲者自身の指揮による作品集ということで、都響定期へ。 「アイ・スティル・ダンス」…弦楽器群と管楽器群で微妙にスピード感に差がある。拍そのものは合っているのだけれども、呼吸が違うといった印象を受けた。律儀に譜面を追いつつ弾いているのが

          東京都交響楽団第992回定期演奏会Bシリーズ

          C×C(シー・バイ・シー) 作曲家が作曲家を訪ねる旅 Vol.5 夏田昌和×アルノルト・シェーンベルク[生誕150年]

          プログラム ・A.シェーンベルク:組曲 op.25(1921-23)(ピアノ) ・夏田昌和:波~壇ノ浦(1997)(ピアノ) ・ A.シェーンベルク:幻想曲 op.47(1949) (ヴァイオリン、ピアノ) ・夏田昌和:エレジー(2022)(ヴァイオリン、ピアノ) ・ A.シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番 op.10(1907-08)より 第3楽章「連祷」 ・夏田昌和:美しい夕暮れ (2023/新編成版初演)(女声、フルート、ヴィオラ、ピアノ) ・ A.シェーンベルク:ナポ

          C×C(シー・バイ・シー) 作曲家が作曲家を訪ねる旅 Vol.5 夏田昌和×アルノルト・シェーンベルク[生誕150年]

          大貫妙子 コンサート 2023–東京公演–

          バンドメンバー 小倉博和(G)、鈴⽊正⼈(Bass)、沼澤尚(Drums)、林 ⽴夫(Drums)、フェビアン・レザ・パネ(Acoustic Piano)、森俊之(Key)、網守将平(Key) 1曲目の「横顔」から、これまでと雰囲気が違っていた。いつものライブでは、たいてい最初の数曲はどこか不安定な、おぼつかない感じがあったのだけれど、今回は初めから、余分な力が入っておらず、落ち着いていた。何か、吹っ切れた感じ。 そのことは「新しいシャツ」の歌い出しにもよくあらわれていた

          大貫妙子 コンサート 2023–東京公演–

          Cabinet of Curiosities 2023

          年末のこのフェス、3回目とのこと。 昼公演:弦楽四重奏の現在 演奏:河村絢音(ヴァイオリン)、對馬佳祐(ヴァイオリン)、中山加琳(ヴィオラ)、北嶋愛季(チェロ)、佐原洸(エレクトロニクス) ◯チヨコ・スラヴニクス(1967):ディテールの傾き (2005/06) ◯クララ・イアノッタ(1983):ジャム瓶の中の死んだスズメバチ(iii)(2017-18) ◯レベッカ・サンダース(1967):矢羽根(2012) 《アフタートーク》 望月京、桑原ゆう、森紀明、渡辺裕紀子

          Cabinet of Curiosities 2023