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東京の葬儀に驚いた

夫のお父さんが亡くなった。
5年程前から施設にお世話になっていた。
この間にコロナ禍となり面会不可。
2023年5月から五類から二類になったが、その施設はその後も面会は取らない措置でした。

「危ないらしい。」
そんな連絡を受けたのはお義母さんと同居している夫のお兄さんから。
でもどんな状態なのか、お義兄さんでも分からないとの事。
仕方がないので私たち夫婦はお義兄さんからの連絡待ち。
そして。
とうとう、その日が来ました。

北海道の葬儀

私は生まれも育ちも北海道。
北海道はどうやら他の地域と違うらしいと感じたのは物心ついてから。
ドラマなど見ていると葬儀のやり方が北海道とどうも違う。お焼香の仕方や香典の渡し方など全然違う。
ですが、時代は少しずつ変わり北海道でも葬儀会社が運営するようになり、更にコロナ禍で家族葬が中心に。その他は香典だけ渡しに行くようになりました。ただ、通夜、告別式、出棺、火葬後の繰り上げ法要は今でも行っていると思います。

通夜は?

2023年10月9日の深夜に義父が亡くなった旨を10日にお義兄さんから連絡があり、私たち夫婦は葬儀に行く準備をします。
ですが…
よく分からない。
斎場に10月13日の14時集合。14時半に火葬。
ん?
通夜は?
もう少し詳しくお義兄さんに聞きますが、それ以上の情報はなく。
遺体は家に帰って来てるのかな?
分からない事ばかりでしたが、とにかく急いで支度します。
ただ、私たち夫婦は北海道。
夫の実家は東京。
交通手段は急だったので飛行機。
高かった…(> <。)
急だったので仕方ない。

12日。夫の実家に着くと、お義母さんもお義兄さんも普段着。
線香の匂いもなく。
お義父さんは?
どこにも居ない。
お義兄さんに聞いてみると、施設から直接葬儀会社に行き安置してあるとの事。
なのでお義父さんとは翌日の葬儀会場でなければ会えないとの事。
結局12日は普通にご飯食べて就寝。

いきなり火葬にビックリ

13日。
家族葬とは聞いていたけど、参列するのはお義母さん、お義兄さん、私たち夫婦と息子、そして長年お付き合いのあるお隣りの家のご主人の6人のみ。
お義母さんに聞いてみた。
お義父さんの親戚にもお義母さんの親戚にも後日に報告するとの事。
ふむ。
それ以上は私からは聞けない。そして人数が少ないのは私としては助かるので黙って従う。

いざ葬儀会場へ。
葬儀会社の人が玄関先に。
ソファで準備が整うまで待つようにとの事。
ようやくお坊さんが到着。
無宗教とはいえ、流石にお経はあげて欲しいとお義母さんがお義兄さんにお願いして来てもらったようだ。一応の経歴をお義兄さんに聞いたのだろう。白木のお位牌に戒名が。でも普段からのお付き合いもない為、お坊さんとの会話も弾まない。気まずいまま葬儀会社の担当者を待っていた。
「準備が整いました」
ようやく来た。
いざ。
すると棺桶に入れられたお義父さんが。
目の前には火葬炉の入口。
いきなり!?
5分程度の読経後、花を入れ、お義父さんの顔を見て。
最期のお別れをして。
ガラガラ。
目の前でスイッチオン。
火葬が始まりました。
「40分位掛かりますから、下のラウンジでお休みください」
葬儀会社の社員に誘導され、お坊さんと私たち家族と近所の人の計7名は1階のラウンジでしばしお茶となりました。

東京の今の葬儀事情

今回のお義父さんのケースは、かなり簡略化されたのだと分かりました。
また、たまたま火葬と葬儀会場が一緒の施設で執り行われたから出来たのでしょう。
お坊さんと少し雑談出来たのですが、東京の火葬場が本当に少ないらしいです。火葬待ちで混んでいるとの事。
火葬場と一体化している葬儀会場だから、通夜、告別式をしなくても出来たのだと。
もし、火葬場と別の施設で葬儀となると、従来通り、通夜、告別式、出棺、火葬の順となり、移動もしなければならないと思いました。

改めて思い返す。
お義父さんの炉を中心にしか見られなかったけど、ざっと10基ほど炉がありフル稼働していました。
更に葬儀会社の社員とも少しお話した。
火葬炉は9時から17時まで常時動いているとの事。
それだけ東京の火葬場は少ないのかな?と感じました。
また、お世話になった葬儀会場では、棺にお花を入れたり、最期に顔を見る事が出来ましたが、他の葬儀会場ではそれも出来ず、やるとなれば別料金だとか。
:( ;´꒳`;):ヒェッ
そう考えると、最期にお別れが出来ただけ有難いのかも知れません。

火葬後…

約1時間後、火葬が終わりました。
先程とは違う場所。
そうですよね…
火葬は順番待ちしているのだから。
お坊さんの読経5分程。
焼香はこの時にやっと出来ました。
火葬後の遺骨の箸渡しも1人1回のみ。
あとは葬儀会社の人が説明しながら、あっという間に骨つぼに収めて行きました。
ただ、遺族としては、あまりにも簡略化して、お別れの実感が湧いて来ませんでした。
それでも、足の悪いお義母さんの事を考えると移動も大変、通夜や告別式や繰り上げ法要などのセレモニーがあると身体の負担が掛かりますから、これはこれで良かったのかも知れません。
葬儀会社の事務連絡が終わり、玄関先でお坊さんにお礼を告げ、解散となりました。
そして、お義父さんの葬儀は終わりました。
午後2時に葬儀会場に着いて、多少時間はずれ込みましたが、午後5時には帰宅出来ました。

香典を渡すタイミングが分からず、結局、家で渡しました。ドラマで見たような東京の葬儀とあまりにもかけ離れていて「思ってたのと違う💦」色々戸惑った葬儀でした。


繰り上げ法要や初七日ないの?

今、思い返すと慌ただしく帰宅したので、繰り上げ法要がない事に気が付きました。
それとも、骨つぼに収めた時の読経がその代わりだったのかな?
では初七日は?
一応あるのではと私と夫は約1週間滞在しましたが、結局ありませんでした。

お義父さんが亡くなった親戚への報告も電話のみ。
東京スタイルなのかな?それとも、たまたまお義父さんとお義母さんの親族がドライなのか?
それとも私たち夫婦が知らない所で香典だけのやり取りをしているのか。
私たち夫婦は北海道に帰る身なので、大人しく見ていました。

ただ、四十九日法要は考えているようです。こちらは私たち家族は参列出来ません。残されたお義母さんとお義兄さんが納得される形になればと願うばかりです。


葬儀の考え方

葬儀の考え方はコロナ禍で一変したように感じます。
今は家族葬が主流になっています。
そして、最期に顔を見られるのもお金が掛かるケースがあったり、ドライアイスの事故ではありませんが相当気を使うのかも知れません。
お義母さんの身体の負担や葬儀に掛かる金額等はお義兄さんにお任せした立場なので私たち夫婦が異を唱える事は出来ませんが、お義父さんとのお別れが本当に実感なく。
そして、このスタイルが、もしかしたら今後のスタンダードになるのかも知れません。
ですが、最期くらい少しは家族で偲びたいと思われる方も少なくないのか、火葬までの数日をホテル並みのお部屋で過ごすプランも出ていると後日テレビで放送されていました。
また、火葬場が少ないとか老朽化等の問題はありますが、どこに建てるのかと言う課題もあります。
ですから、火葬が無事執り行われる事自体を有難いと思う機会となりました。

北海道では、まだ東京ほどの火葬待ちはありませんが、葬儀の簡略化はもしかしたら今後導入されるのかも知れません。
これは色々な事情が絡みますから何が良いかは分かりませんが、ご家族が納得されるのが一番良いのかなと思いました。 
そして、私や夫の葬儀はどうしたら良いのかと、ほんの少し考える機会となりました。
その頃にはまた価値観も変化しているかも知れませんが…。

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以上、2023年10月23日現在の私の感想を書かせて頂きました。

ここまで読んで下さりありがとうございます。



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