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村上春樹を読んでみた

随分前に「ノルウェイの森」を読みました。
ですが、記憶があるだけで、お恥ずかしながらどんなストーリーだったか忘れました。
ただ、当時の私では難解だったと思ったのでしょう。しばらく村上春樹さんの作品から遠のいていました。


今回、X(旧Twitter)の読書好きのフォロワーさんが村上春樹さんの本「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んだとの事。
「ぜひ読んでみて下さい」と言われ。
でも、いきなり長編は抵抗ある。
まず短編から少しずつ挑戦しよう!
と、選んだのが下の3冊です。


作品をリメイク。絵本仕立て

下記の本はいずれも絵本仕立てにする際に村上春樹さんが作品を手直しされ、更にタイトルも見直したそうです。
装丁も絵本のような作り。
イラストもふんだんに使われています。


ねむり

初期のタイトルは「眠り」
17日間、眠れなかった、いや眠らなかったのか。その女性のお話。
少しずつ女性の体調と気持ちが変化していきます。

このお話は、あとがきを読んでようやく少し分かったような気がしました。
全く睡眠を取らないとどうなるのか。
そのしわ寄せが巻末なのでしょうか?

「ねむり」より


パン屋を襲う

二部構成。
前編が「パン屋襲撃」のリメイク。
後編が「パン屋再襲撃」のリメイク。

空腹と飢餓感。それを満たすためにお金ではなくパン屋を襲う。
なんともシュール。
前半は主人公が若い頃。
後半は若い頃を懐古し妻に話します。すると…。
経年と共に相棒も変わり、気持ちにも変化が。

そして村上春樹さんの言葉使いに脱帽。

「パン屋を襲う」より


図書館奇譚

「不思議な図書館」をリメイクし改題。

図書館を訪れた僕。図書館の奧に案内されます。そこで羊男さんと出会います。果たして僕は図書館から出られるのか。

この絵本シリーズで初めて手に取り読んだ本がこの作品でした。
不思議な世界にグイグイ引き込まれ、一気に読む事が出来ました。

「図書館奇譚」より


ドイツのイラストレーター、カット・メンシックさん

この絵本シリーズ。
全てドイツのイラストレーター、カット・メンシックさんが担当されています。
普段の小説には、ほとんど挿絵はありませんが、このシリーズは絵本仕立て。
イラストがふんだんに使われていました。
文章を引き立てるイラストでもあり、イラストで文章のイメージが膨らむ。
とても素敵なコラボでした。

どうやら、もう一冊、この絵本シリーズがあるようです。機会があれば、そちらも読みたいと思いました。


絵本シリーズ3冊読んでみて

挿絵がたくさんあった事もあり、どれも読みやすかったです。
3冊とも違う雰囲気。
村上春樹さんの幅の広さを改めて実感しました。

そして、村上春樹さんの「難しそう」と言うイメージは少し払拭されました。


「かえるくん、東京を救う」も読んでみた

新海誠監督の大ヒット映画「すずめの戸締まり」。NHKの「クローズアップ現代」のインタビューの中で、村上春樹さんの「かえるくん、東京を救う」に刺激を受けた旨、新海誠監督が話されていたのを思い出し、早速探してみました。
すると「神の子どもたちはみな踊る」と言う短編集の中に収録されていました。
こちらも短編集と言う事で、読みやすかったです。
新海誠監督が影響を受けた「かえるくん、東京を救う」は、たくさんのご感想やご考察が掲載されていますので、今更感はありますが、私なりの感想を。

3日後、巨大なみみずくんが原因で東京で地震が起こると。東京を救いたいと。かえるくんが片桐の家に表れる所からお話が始まります。
みみずくんを鎮めようとかえるくんは立ち向かいます。
片桐が気が付くとそこは…。

このお話は1999年に発表されたとの事。
まだ、東日本大震災の前の作品です。
東京に限らず、巨大地震に襲われたら。
甚大な被害となり脅威です。
「備えよ」とのメッセージとも受け取れますし、もっと大きな事がこのお話に込められているようにも感じました。
なんともフワッとした感想で申し訳ございません。
ですが、確かに私の記憶に残った作品でした。


まとめ

X(旧Twitter)のフォロワーさんとの会話から、村上春樹さんの作品を読むきっかけとなりました。
絵本仕立ての本と合わせて、4冊、読ませて頂きました。
フォロワーさんおすすめの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」も読みたいですし、随分前に読んだ「ノルウェイの森」も再び読みたいと思いました。
どんなお話かな。
楽しみです。


ここまで読んで下さりありがとうございます。


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